2018年12月14日(金)

ディープラーニングは何が「ディープ」なのか
グーグルに学ぶディープラーニング(上)

AI
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2017/1/31 6:30
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日経ビッグデータ

人工知能(AI)のビジネス活用が注目を集めているが、基本に立ち返って「人工知能と機械学習、ディープラーニング(深層学習)のそれぞれの違いは何か」と問われて説明できるだろうか。「Google翻訳」の開発に携わる機械学習の研究者であるグーグルのシニアエンジニアリングマネージャの賀沢秀人氏に解説してもらった。

「人工知能が囲碁でプロ棋士に勝った」「機械学習で画像認識ができるようになった」「ディープラーニングで工場の予知保全が可能になった」

こんなフレーズを、目にしたり耳にしたりしたことのある人は多いだろう。「人工知能はAIとも呼ばれ、Artificial Intelligenceを略したものだ」といった知識も一般的かもしれない。

一方のディープラーニングは、近年急速に利用が進んでいるもので、日本語では深層学習と呼ぶことをご存じの方も少なくないだろう。こうした人工知能に関連する言葉は、ニュースの世界だけでなく、日常でも触れる機会が多くなっている。

それでは、「人工知能と機械学習、ディープラーニングのそれぞれの違いを説明しなさい」と問われたらどうだろう。何となく、コンピューターの頭が良くなって、人間に指示されなくても答えを導き出してくれること、といったイメージはあっても、それぞれの違いを説明するのはちょっと難しいのではないだろうか。

人工知能にまつわる潮流は、学術的な研究の進展、クイズ番組や将棋・囲碁といったゲームに勝利するといった次元から、ビジネスのシーンにも押し寄せてきている。これまで、人工知能なんて関係ないだろうと思っていたあなたの仕事にも、近い将来は関係してくる可能性は十分にある。そのとき、きちんとした理解がないとビジネスチャンスをものにできないだけでなく、時代の潮流からあなた自身が置いていかれる危険性だってある。

■ディープラーニングは機械学習の一部

では、それぞれの言葉を説明していこう。まずは人工知能だ、と言いつつ、最初からちょっと腰が引けた紹介をせざるを得ない。なぜなら、人工知能そのものは、実はひと言では語り尽くせない概念だったりするからだ。どのような存在を「人工知能」と呼ぶのか、という議論になると学者や専門家の間でも厳密には意見が分かれる。

知能を取り扱うとなると、哲学の範疇にまで議論の範囲が広がってしまう可能性もある。

ここでは、「人工知能=知的な情報処理をするもの、またはその技術」

と、大きく捉えておく。コンピューターなどが、ある情報の入力に対して、何か知的な結果を導き出してくれると考えれば、読者が思い浮かべる人工知能と大きなズレはないだろう。

グーグルで「Google翻訳」の開発に携わり、自身も機械学習の研究者であるシニアエンジニアリングマネージャの賀沢秀人氏は、こう説明をする。「同じコンピューターでも、足し算をしたり画像を白黒に変換したりするといった処理ではなく、画像に何が映っているかを当てるような処理をする場合、知的な情報処理をしていると感じる。何らかの"知的そうな"処理をする機械や技術が、ぎりぎりのコンセンサスだと思う。非常に捉え方が広い概念が人工知能なのだ」。

ここでは、人工知能とは何かという哲学には踏み込まず、大きな概念として知的な処理をする「人工知能」があるとして、先を急ごう。次は「機械学習」「ディープラーニング」についてだ。

機械学習もディープラーニングも、大きな意味では人工知能を実現するための手法だ。その点、「何となく人工知能も機械学習も、そしてディープラーニングもすべて似たようなものではないか」という直感は正しい。では、機械学習とディープラーニングの関係は何か。グーグルの賀沢氏は、今度は定義を明確に語ってくれた。

「機械学習の1つの分野が、ディープラーニングだ」

そう。ベン図で示せば、大きな人工知能の枠があり、その中に機械学習の部分があって、さらに機械学習の中にディープラーニングの円が描かれているということになる。なので、ディープラーニングのニュースを見たときに、機械学習や人工知能のことを話題にしていると思うのは正解だ。ただし、機械学習の話をしているときに、それが必ずしもディープラーニングの技術や手法を使っているかどうかはわからない。そんな関係性を、まず理解しておこう。

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