アップル+ソニー 究極の電子決済ウオッチを自作した

徐々に普及が進む「スマートウォッチ」。さまざまな年代、業界で実際にスマートウォッチを使い込んでいるユーザーを取材し「どういう形に使っているのか?」「そのメリットは?」など聞いてみるこの企画。今回は、新古・中古の海外向け及び国内向けのスマートフォンを販売している「イオシス アキバ中央店」のショップ店員、太田さんを取材した。
太田さんは、バンド部に機能が備わっているソニーのスマートウォッチ「wena wrist」ユーザーだが、実は今、wena wristのバンド部分だけ取り外し、それを「Apple Watch Series 2」のバンドとして使っているとのこと。こんなマニアックな使い方をしている人は、日本でも片手で数えられるほどしか存在しない。そんな太田さんに話を聞いた。

目指したのは「究極の電子決済ウォッチ」
――太田さんは、なぜwena wristユーザーになったのですか。
太田さん(以下、太田):僕は、無類の電子決済好きなんです。ソニーの「wena wrist」は、さまざま電子決算が使えるスマートウォッチと聞いて魅力を感じ、使うようになりました。wena wristがあれば、Edy、iD、Quick Pay、ヨドバシのポイントカード、スタバカード、Dポイントカードが使えます。素晴らしいですよね。
――なぜApple Watch Series 2にwena wristを組み合わせようと思ったのですか。
太田:wena wristはとても気に入っていたのですが、残念ながらSuicaが使えないんですよね……。そこをカバーできるのが、Suicaが使えるApple Watch Series 2だったんです。だったら、wena wristとApple Watch Series 2を組み合わせればいいのではないかと思いまして。

――Apple Watch Series 2には魅力を感じていましたか?
太田:これまで使ったことがなかったのですが、実際使ってみると素晴らしい。まず、本体の強度が高いということ。それと、水深50mでも大丈夫という防水性。この2つがとても気に入りました。
完成! Apple Watch + wena wristウォッチ
――では、ここで実際に組み合わせてみていただけますか?
太田:はい。まず、Apple Watch Series 2のベルトが変えられるのはご存じかと思います。wena wristのベルトって22mmなんですが、Apple Watch Series 2のベルトは42mm。それで、22mmのベルトをつけられるように、専用のアダプタを海外から仕入れました。Apple Watch Series 2にこのアダプタをつけると、wena wristがつけられるようになります。ちょっとやってみますね。




――実際にApple Watch Series 2とwena wristを組み合わせてみて、いかがですか?
太田:はい、バッチリです! これでSuicaとEdy、iD、Quick Pay、ヨドバシカード、スタバカード、Dポイントカードがすべて腕時計だけで決済できるようになりました。まさに全方位の最強スマートウォッチです!
よく「FeliCa同士で干渉しないんですか?」と聞かれますが、今のところ、特にそういう問題は起きていません。
――実際、これを使って決済していらっしゃるんですか?
太田:もちろんです!スーパーで食材を買うときとか、自販機で飲み物を買うときとか。あとはバス、地下鉄でも使います。ヨドバシカメラのポイントカードにもなっているので、店頭でよく使っています。
例えば食事をするお店を探すとき、入りたい店が2つあれば、電子決済できる店のほうを選びます。支払いのとき、これでシャリーンと支払うのが快感で。

――それを使って改札を通るとき、難しくないですか?
太田:よく言われますが、問題ないです! 改札を通る前に少し上体をそらして、そのまま横歩きになって通過すれば問題ありません。

――なるほど。ところで、この腕時計、2つあわせて価格はおいくらになりますでしょうか。
太田:それを聞かれると、ちょっと辛いんですが……。Apple Watch Series 2は7万5000円で、wena wristは7万円だったと記憶しています。ですから、両方足すと軽く14万5000円越えですね。
――そ、それは少し高すぎる……。
太田:ええ。でも、この腕時計にはその価格を超える魅力があります。腕時計で決済できるということに、僕はとても未来性を感じています。これからは、そういう時代になってくるような気がします。だったら、少しでも早くその未来を体験してみたい。その思いが、この2つのスマートウォッチを組み合わせるという発想になったんです。
(ライター 井上真花)
[日経トレンディネット 2017年1月7日付の記事を再構成]
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