/

渡辺、比嘉… 誰が羽ばたく? 酉年生まれの女子

ゴルフライター 月橋文美

2017年のえとは酉(とり)。バーディー、イーグル、アルバトロス……と、ゴルフ用語では縁起のいいのが鳥の名前だが、今年はぜひ年女プロたちにも大活躍してもらいたいもの。3月第1週の新シーズン開幕を前に、注目の"酉年プロ"をチェックしておこう――。

渡辺は「飛距離はまだまだ伸ばしたい。誰にも負けたくないと思っている」と語る=共同

飛ばし屋渡辺の賞金女王争いを期待

ツアーの中心になる年女は、今年24歳になる1993年生まれだ。平成5年、国内のスポーツ界ではサッカーJリーグが開幕し、曙が外国人力士として初めて横綱に昇進、男子ゴルフでは飯合肇が賞金王に。女子ゴルフではちょうど同年24歳の誕生日を迎えた酉年女・平瀬真由美が初めて賞金女王に輝いたのが、この93年だった。

まず、今年は賞金女王争いに加わる活躍を期待したいのが、93年9月19日生まれの渡辺彩香。いわずと知れた飛ばし屋で、昨シーズンはプロ5年目、リオデジャネイロ五輪代表をかけていた前半戦では何度も優勝戦線をにぎわしたが、ツアー通算4勝目はつかめず、賞金ランキングは前年の6位を下回る12位に終わった。

昨年7月の全米女子オープン最終日最終ホールで痛恨のダブルボギーを叩き、結果論でいえばわずか1打の差でリオ出場を逸した。

その悔しすぎる戦いを境に、国内に戻った後半戦ではドライバーショットの調子を乱して終盤戦まで苦しんだが、そのスケールの大きなゴルフへの期待度は高い。ツアーを席巻中の外国人勢に太刀打ちできる数少ない日本人選手の一人といえるだろう。

オフは米国で丸山から小技の指導も

9月のマンシングウェアレディース東海クラシックで行われた、恒例のドライビング女王コンテストでは、280.2ヤードの記録で2年連続の1位に。「飛距離はまだまだ伸ばしたい。誰にも負けたくないと思っています」と、小さくまとまる気はさらさらないという姿勢が、ファンからも熱視線を送られるゆえん。今オフも昨年に引き続き丸山茂樹を訪ねて米国へ飛び、小技を中心とした指導を受けて開幕を迎えるという。

そして2人目。その渡辺が「今シーズンこそ2人で優勝争いをしたい」と願ってやまないのが、同学年のライバルで93年10月11日生まれの比嘉真美子だ。「アマチュア時代は飛距離が同じくらいかなという感じだっただけで、その他は何一つ真美子にかなわなかった。雲の上の存在でした。で、プロテストは同期で合格して、真美子は(ツアーデビュー)1年目に2勝して大活躍。私は2年目に初優勝したけど、その頃からちょうど真美子の調子が悪くなって……。まだV戦線で戦ったことがないんです」と渡辺。

確かに比嘉は日本女子アマ連覇のキャリアを引っさげてプロ入り、翌年の4月に初優勝を手にして一気に賞金ランキング8位に。新人タイトルも総なめした。

比嘉は自身の昨季最終戦で好成績。スランプからの復活をアピールした=共同

スランプ脱した比嘉、大暴れの予感

しかしプロ3年目の14年途中から大スランプに陥り、15年には賞金ランキングも95位、昨年夏まではまさにドン底にいた。それが9月を境に驚異のV字回復。同じ時期に大いに苦しんでいた渡辺と対照的に、ツアー終盤の2カ月間で一気に2500万円以上を稼いでシード復帰を決めてみせたのだ。

とくに、比嘉の昨シーズン最終戦となった大王製紙エリエールレディースでは、4日間で通算23アンダーというゴルフを見せ、復活をアピール。1打差で優勝こそならなかったが「今は毎日自分の成長を感じられる。ルーキーの年とは比べものにならない手ごたえがあります」と話している。

同大会の優勝者、テレサ・ルー(台湾)に「すごく強い。最終日のゴルフは本当に完璧でうらやましいぐらいだった。すごくいいものを見せてもらいました」と言わしめたほどのプレーぶりは、新シーズンにもつながりそうだ。渡辺に劣らぬ元来の飛距離に、不調時の副産物でレベルアップした小技が加わり、こちらも復活Vだけでなく賞金ランキング上位を脅かす大暴れを期待したい。

高い潜在能力の葭葉、成長した青木

また、渡辺、比嘉と同期の12年プロテスト合格、昨年7月のニッポンハムレディースでツアー初優勝を手にした葭葉ルミも93年3月12日生まれ。昨シーズンは3月の第2戦で古傷の右足首付近を骨折する不運なスタートだったが、1カ月半の戦線離脱もなんのその、賞金ランキングは自身過去最高の26位となる一年にしている。

ツアー最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップ・リコーカップでも、大会3日目に国内女子メジャー大会の18ホール最少ストローク記録に並ぶ64をマークするなど、潜在能力の高さを印象づけた。

2年連続賞金ランキング27位となった青木瀬令奈も93年2月8日生まれ。7月終わりの大東建託・いい部屋ネットレディースでは、首位タイで最終日を迎えながらスタートホールで池ポチャダブルボギーをたたき、14位に終わるという悔しさも経験したが、ここ2シーズンの成長ぶりは目を見張るものがある。自身の「バーディーゾーン」という160ヤード前後の距離を打ち分けるため、5番ユーティリティーを2本入れるという珍しいクラブセッティングにも注目だ。

この他、QT(ツアー最終予選会)ランキング3位のベイブ・リュウ(93年1月13日生まれ)は、15年のステップ・アップ・ツアー(下部ツアー)競技、フンドーキンレディースで優勝も飾っている台湾の新星。身長176センチは全美貞(韓国、175センチ)をしのぐツアー最長身で、フル参戦2年目となる今季は台風の目となる可能性もありそう。

葭葉は昨季ツアー最終戦で「64」をマーク、潜在能力は高い=共同

QTから初シード入りを狙う中には、同ランキング9位で93年5月3日生まれの小林咲里奈もいる。こちらも16年ステップ・アップ・ツアーのダイクレレディースカップで優勝しており、楽しみな存在だ。

さらに、一回り上の酉年。ツアーから30代以上の選手が激減している昨今だが、今年36歳を迎える81年生まれで頑張るのが、QTランキング2位の福田裕子(11月11日生まれ)と同13位の古屋京子(8月30日生まれ)。

シニアの舞台でも年女の活躍期待

また、もう一回り上の69年生まれには、昨年レジェンズツアー(女子シニアツアー)4試合中3試合に優勝した鬼沢信子(9月17日生まれ)と、同ツアー最終戦で鬼沢の連勝を止めた白戸由香(8月5日生まれ)がいる。今季は1試合増の5試合が予定され、徐々に注目度も上がっているシニアの舞台からも、元気な年女活躍のニュースが望めそうだ。

最後に、世界ゴルフ殿堂入りのレジェンド・樋口久子日本女子プロゴルフ協会(LPGA)相談役も45年10月13日生まれの酉年。すでにエージシュートは何度も達成されているそうだが、いまだに220ヤードを飛ばし、正確にグリーンをとらえるショット、磁石のようにピタリと戻ると評された"マグネティック・スイング"を、久しぶりに全国のゴルフファンに披露してくれる機会はないものだろうか。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン