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テニス男子ツアー、世代交代への確かな足音

テニスコーチ ニック・ボロテリー

テニスの四大大会第1戦、全豪オープンが行われている。昨年までは「見るべき選手は?」と聞かれて、「すべてだよ」と答えていた。だが、今季は違う。世界ランキング1位のアンディー・マリー(英国)、同2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)の2人はまだずぬけているけれど、男子ツアーもいよいよ世代交代が明確になってきた。手首のケガから復帰してきたファンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)、まだ19歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、23歳にして昨年のATPツアー・ファイナルに初出場したドミニク・ティエム(オーストリア)は要注意だ。男子選手が伸び悩んでいた米国からも、ちらほらいい感じの若い選手が出てきた。

僕は1978年、世界で初めて全寮制のテニスアカデミーを作った。こうしたものは世界で一つだったから、世界中から選手がやってきた。ただ今では全米中、欧州にも同じようなアカデミーがある。旧共産圏の選手が米国に亡命してくることもない。米国から次々といい選手が出てくる時代ではなくなった。だからこそ、若い選手が出てきたのはうれしい。もっとも才能だけでなく、選手、親、コーチの3者のバランスが上手にとれないと、ここから先、成功するのは大変だけれど。

85歳になり、コーチとしても"還暦"を過ぎた。もうツアー帯同コーチを辞めて20年近くたつが、ウィンブルドンと全米オープン、そしてマスターズ・シリーズのマイアミ・オープンには必ず行く。コーチを辞めたわけではないし、ほかのビジネスもあるからね。

今は「モチベーション・コーチ」

コーチとしては今、メンターというか、「モチベーション・コーチ」だろうか。若く出てきた才能に直接声をかけて、励ますのは楽しい。例えば昨年、女子テニスでセリーナ・ウィリアムズ(米国)との打ち合いを制して全仏に勝ったガルビネ・ムグルサ(スペイン)。本気を出したセリーナに打ち勝てる数少ない選手で、「本物の才能」を感じる。

ビジネスは新しい形のコーチングだ。コーチのキャリアをスタートした50年代、僕は普通にテニス好きな人たちを公共コートで教えていた。昨年、日本でも行ったように、世界各地でクリニックを開いているが、教えられる人数には限りがある。なんとか、それを世界中を相手に指導できないかと模索して、自分のホームページ「nickbollettieri.com」で質問を受け付けていたら、シリコンバレーの若者たちが声をかけてきたよ。「PIVOT(ピボット)」という機械を体につけてテニスをすると、フォームや体の使い方がパソコンに送られ、改善点をすぐに本人にフィードバックするシステムという。新しいものが好きな僕はすぐに乗ったよ。ケガをしにくい肘の使い方、もっと効率的なフォームなど、その人の体形に適した答えを伝えるシステムづくりのために、僕はアドバイスしているんだ。様々な角度から映像を撮る必要もなく、これなら世界中の人に最適な答えを提供できる。すんなりうまくいくか? わからないよ。でもまず始めることが大切なんだ。

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