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カネボウ高岡監督が語る 日本マラソン低迷の理由

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2017/1/19 6:30
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 日本のお家芸だったマラソンの低迷が続く。男子マラソンの日本記録はカネボウの高岡寿成監督が2002年につくった2時間6分16秒が14年以上も破られていない。その高岡監督に日本のマラソンの問題点とマラソンの本質について語ってもらった。

アテネ五輪優勝の野口には、世界一練習をしたという自信があった

アテネ五輪優勝の野口には、世界一練習をしたという自信があった

 ――高岡さんが2002年に出した日本記録がまだ破られていません。こんなことを想像していましたか。

 「まさか、こんなことになるとは」

 ――日本のマラソンは世界に大きく後れをとっています。東京五輪まで3年となったいま、日本の選手についてどう感じていますか。

 「日ごろ、メダル獲得をしっかり意識しているのかどうかが気になる。最終目標を五輪や世界選手権のメダルに置いて練習に取り組んでいるかどうかが結果に影響する」

 「世界記録が2時間2分台に突入してしまい、世界が自分の手の届くところにあるとは思えなくなってしまっている選手もいるでしょう。箱根駅伝がこれだけ華やかな大会になったので、箱根に出ることで満足する学生もいるのかもしれない」

 ――どう意識を変えていけばいいのでしょう。

 「何かに自信を持ってスタートラインに立つことが大切です。五輪で金メダルを取った高橋尚子さん、野口みずきさんは世界一の練習量をこなしたという自信を持って立ち、それを支えにした」

「いかに勝つか、もっと考えて」

 「私は誰にも負けないスピードを磨いてきたんだと思ってスタートラインに立った。それが自分の強さなのだと自信を持っていた。いまの選手はそういうものを持てていないのかもしれない。ここだけは負けないというものをつくる必要がある」

 ――自分の強みに自信を持っていないと、レースの戦術を立てられないし、駆け引きができない。

高岡監督はマラソンの本質である駆け引きが欠けていると語る

高岡監督はマラソンの本質である駆け引きが欠けていると語る

 「いかに勝つかをもっと考えたほうがいい。私は自分の良さを生かして、ほかの選手が嫌がることをしようと常に考えていた。スピードを生かして最初から飛ばすばかりでなく、後ろに構えていても主導権を握ることはできた。相手の頭に私のスピードがあったからです」

 「勘違いかもしれないが、自分が主導権を握っていると思い込むことが重要です。自分を中心にレースが動いていると考えたほうがいい。みんなも、そう思っているのかもしれませんが……。川内優輝選手(埼玉県庁)はそれができているように感じる」

 ――しかし、レースは自分が想定したとおりに運ばないことがある。

 「想定外の展開になったときもプラスに考えられるようでないといけない。予定より速いペースだったら、これはまずいと考えるより、チャンスだと思ったほうがいい」

 「いまの選手を見ていると、ここまでこのペースでくることができたのだから、そのままいってしまえばいいのにと感じることがある。そうしないのは、先のことを計算しすぎるからなのか。もしかすると、練習をこれだけ積んできたという自信がないからかもしれない」

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