日本ラグビー勝利への扉

フォローする

大学ラグビー8連覇、帝京大の変わる勇気と育成力

(1/3ページ)
2017/1/14 6:30
保存
共有
印刷
その他

敗者がかつての王者と重なって見えた。9日のラグビー大学選手権決勝。帝京大に26-33と健闘した東海大の最大の強みはFWのパワーと堅守だった。この2つは、8連覇を遂げた帝京大のかつての強みとそっくり同じである。

トライを決めた帝京大・竹山。背番号に関係なく、誰もが良く走り良くつなぐラグビーをみせた=共同

トライを決めた帝京大・竹山。背番号に関係なく、誰もが良く走り良くつなぐラグビーをみせた=共同

東海のFWは、個人でも塊になっても強かった。ナンバー8テビタ・タタフやプロップ渡辺隆之の突進力や、密集戦でのボール奪取力は出色。スクラムでも帝京を押し込み、2つのトライを奪った。

SO真野泰地らのタックルも厳しく、簡単に前進を許さない。綿密なトレーニングと科学的な栄養摂取でしっかり体を鍛えてきたことが分かる奮闘。帝京の岩出雅之監督も「東海は素晴らしいパワーラグビーをされた」と敬意を表した。

ただ、東海の成長が目立ったのには、帝京の側にも理由があった。劣勢だったスクラムを帝京は今季、週に1日しか練習していない。昨季までの週2日でも多いとはいえないのに、半減させた。結果、今季は他チームとの試合でも押し負ける場面が目立った。

帝京がスクラムに力を入れなかったのは、時間を別の部分に投資したから。「今、目指しているボールを動かすことや、守備の対応力などへの時間を割きたかった」と岩出監督は狙いを語る。

磨いた「どこからでも球動かす」意識

成果が良く表れたのが、同点に追いついた前半2本目のトライ。帝京は中盤の密集でボールを奪い返すと、左、右とピッチの横幅をいっぱい使って攻める。今度は内側にスペースができたとみるや、FWが密集の脇に連続で走り込んでさらに前進。最後は外側の人数を完全に余らせ、CTB矢富洋則が仕留めた。

背番号に関係なく、誰もが良く走り良くつなぐ、ダイナミックなトライ。「どこからでもボールを動かす。自分達が練習してきたことができた」とSO松田力也は胸を張った。

スクラム強化の代わりに帝京が得たものはまだある。東海の木村季由監督が話した。「(自分たちが)緩いというか、そこを帝京は見逃さない。一気に畳みかけられてスコアまで持って行かれた」

東海のナイーブな顔が出たのは、リードした時の試合運び。前半の14-0の場面では、キックミスから相手にゴール前のラインアウトを与えた。後半の19-14の時には、確実にタッチラインの外に出すべきペナルティーキックを蹴り損ね、ドロップアウトにしてしまう。2つの場面とも、直後の攻撃で帝京がトライを挙げた。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

ラグビーコラム

電子版トップスポーツトップ

日本ラグビー勝利への扉 一覧

フォローする
アイルランド戦でスクラムを組む日本のFW第1列。キーは右プロップの具(奥)だった

 強豪のアイルランドを押した。スコットランドからも複数の反則を奪った。ラグビー日本代表がワールドカップ(W杯)で初の8強に入った要因が攻守の起点となるスクラムの健闘である。その裏には、W杯が終わるまで …続き (11/20)

後半、スクラムを組む日本のFW陣。安定したセットプレーは勝因の一つだった

 自国開催のワールドカップ(W杯)への、一里塚になり得る試合だった。ラグビー日本代表は今年初の公式戦でフィジーに快勝。9月の本番に向け、チームの「幅」の広がりを感じさせる試合となった。
 7月27日のリ …続き (8/1)

パリ大会1次リーグのスコットランド戦では健闘を見せたものの、ラストワンプレーで逆転された(日本ラグビー協会提供)日本ラグビー協会提供

 東京五輪のメダル獲得を目指すラグビー7人制の男子日本代表が岐路に立たされている。国際大会ワールドシリーズ(WS)の全大会に出場できるコアチームから降格。強豪国との対戦機会が減り、強化策の修正を迫られ …続き (6/28)

ハイライト・スポーツ

[PR]