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世界ランク1位のデー 故障の連鎖断ち見据えるもの

ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

10日現在、ゴルフの世界ランキングで1位に立っているジェーソン・デー(オーストラリア)。昨年3月に行われた世界選手権シリーズの「デル・マッチプレー」に勝ってジョーダン・スピース(米国)から再びその座を奪い返したが、以来、トップを守り続けている。

昨年までの過去3シーズンで55試合に出場したデーは、9勝をマークし、トップ10入りは27回と実に半分近い。

その安定感の裏にあるものとは――。

「デル・マッチプレー」の決勝で敗れたルイ・ウェストヘーゼン(南アフリカ)が、こんな話をした。

「トップ選手は、決めなければならないパットを必ず、決める。デーも、このパットを決めなければならない、という状況で、決して外さない」

一見、小さな差に見えるが、プロの世界はそこで明暗が分かれる。

背中痛で3カ月で2回しかクラブ握らず

ところで、その1位に返り咲いた「デル・マッチプレー」では、デーが試合を続行できるかどうかわからない状況だった。初日を終えたデーは、背中の痛みにたびたび顔をしかめ、コースを後にした。

あの日、対戦したポール・ケーシー(英国)が胃痛で途中棄権。試合が長引けば、先に白旗を揚げたのはデーの方だったかもしれない。

しかし翌日、デーは何事もなかったかのように復活。第3日からの週末の2日間で勝ちを重ねて、頂点に立った。

あの試合があったからこそ、昨年9月に行われたプレーオフ(フェデックスカップ)第3戦、「BMW選手権」を途中棄権しながらも、続くプレーオフ最終戦の「ツアー選手権」初日に67をマークして回復をアピールした時は、ファンらは安堵したものだ。

しかし、「ツアー選手権」第2日の8番ホールでまたも棄権した。さすがに多くの関係者に不安がよぎった。痛みによりデーが思わず顔をしかめたのは、決してあの時が初めてではなかった。大会の棄権も2週連続となると、穏やかではない。結局その後、彼はしばらく、コースを離れた。

そのまま3カ月休養し、先週末にマウイ島のカパルア・プランテーションコースで行われた「SBSチャンピオンズ」で復帰したが、「3カ月で2回しか、クラブを握らなかった」とデー。背中の治療に時間をさくと、「かなり、良くなった」。

その時、明るい表情を見せていたが、不安がない、とまでは言い切れないよう。

冒頭でウェストヘーゼンが話したことは、デーがなぜランキング1位を維持しているかを端的に表現しているが、彼の場合、どうしても体調に不安がある。

2010年の全米オープンでは、プレー中にめまいで倒れ、周囲を心配させた。検索エンジンのグーグルで検索してみるといい。「ジェーソン・デー、棄権」と入れると、200万以上の検索結果がヒットする。

その満身創痍(そうい)の中、彼はどんな大会でもベストを尽くし、結果を残していることは見事だが、今のスイングはもろ刃の剣なのかもしれない。

デー自身、故障しない体づくり、スイングを今まで以上に意識する。心機一転を図りたい今年、1月1日付でナイキとウエアに関するスポンサー契約を交わした。

憧れのウッズと同じスポンサー契約に

ナイキは、ゴルフクラブ、ボールの生産から撤退したが、ウエア事業は継続。事業立て直しの象徴がデーとの契約となった。デーにしてみれば、憧れてきたタイガー・ウッズ(米国)と同じブランドのウエアを身にまとうことになるわけだから、これ以上の栄誉はない。

リフレッシュして、今年こそ、故障の連鎖を断てるか。

「できることを全てやっている。故障しないようということも含めて」

彼の目標はあくまでも、ウッズ。そのハードルは決して低くはないが、彼も知っている。まずはケガをしないことが、その出発点になるということを。

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