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一色や塩尻… 箱根駅伝に集うスピードランナー

今年の東京箱根間往復大学駅伝(2~3日)には将来の陸上界をけん引する選手が多く出場している。3連覇を目指す青学大をはじめ、駒大や東洋大は頼りになるエースを擁し、順大は昨年8月にリオデジャネイロ五輪に出場した塩尻和也(2年)がチームのエースとして成長。東海大にも有望な3人のルーキーが集まった。有力校のスピードランナーの横顔を紹介する。

青学大・一色「66分台出したい」

青学大の一色は学生ランナーの中でも走力、精神力ともに群を抜く=共同

出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し、史上3校しか達成していない「大学駅伝3冠」を目指す青学大を支えているのがエースの一色恭志(4年)だ。最終8区を任された全日本では49秒差の2位でたすきを受けて早大を猛追。一気に逆転してチームを初優勝に導いた。

原晋監督は「東京五輪に向けた逸材」と期待をかける。マラソン初挑戦になった昨年2月の東京マラソンでは日本人3位となる2時間11分台の好記録。この経験が自信となった。「これ以上きついものはないと吹っ切れた」。リオ五輪の選考会となった日本選手権では5千メートルに出場して13分39秒65の自己ベスト。学生ランナーの中でも走力、精神力ともに群を抜く。

原監督は早々と「2区は一色」と公言。3年連続2区を任される一色が狙うのは同区間で日本人3人しかいない1時間6分台だ。「(前回も)66分台を出したいと言ったが、(前々回から)10秒しか記録が伸びなかった。リベンジしたい」と決意を込める。エースが集う「花の2区」で区間賞を奪えれば、チームを勢いづけることにもなる。

東洋大・服部「一色には負けぬ」

有力選手のベストタイム
大学・選手名10000メートル5000メートル
青学大・一色
(4年)
28分23秒4013分39秒65
東洋大・服部
(4年)
28分55秒3113分34秒64
駒大・中谷
(4年)
28分17秒5613分38秒08
順大・塩尻
(2年)
28分32秒8513分55秒55
東海大・関
(1年)
28分48秒6313分41秒28
東海大・鬼塚
(1年)
28分55秒2613分43秒61
東海大・館沢
(1年)
29分50秒6713分48秒89

その一色に対抗心を燃やしているのが、東洋大の服部弾馬(4年)だ。宮城・仙台育英高からのチームメートで、2012年春にともに愛知・豊川高へ転校。全国高校駅伝で優勝も味わった。「一番のライバル。あいつだけには負けたくない」。今季前半はリオ五輪出場を目指し、チームから離れトラック種目に重点を置いていた。「シーズン前半はチームにいられなかったので、駅伝シーズンに恩返しできたら」と箱根への思いを話す。

2区で2年連続区間賞を取った兄の勇馬(現トヨタ自動車)が昨春卒業。弟の弾馬は1年生から箱根に出場し、15年の全日本では初優勝の立役者にもなった。だが、エースの座を引き継いだ今季の出雲では3区を走り区間3位。酒井俊幸監督は「ふがいない数字を出した」と語る。全日本では1区で区間賞を獲得する活躍を見せたが、チームは6位と苦しんだ。「自分の良さであるラストスパートで後続との差をどれだけ広げられるかが求められている」と覚悟を決める。

駒大は2010年以降の箱根駅伝で常に3位以内を確保してきたが、今シーズンは右足足底の筋膜炎で戦列を離れたエースの中谷圭佑(4年)の不在が続き出雲は5位、全日本は4位に終わった。「自分の責任も大きかった。最後にできるのは区間賞を取ってチームに貢献すること」と中谷。箱根は悔しさをぶつける舞台にもなる。

全日本の3区で区間賞を獲得した東海大・館沢=共同

1年生では4区、2年生では3区で区間賞を獲得してチームを支え、3年生でも3区で2位。箱根では力強い走りをみせてきた。1万メートル28分17秒56は今大会出場の日本人選手の中ではトップだ。12月29日の区間エントリーでは補欠に回ったが、主要区間での起用は間違いないだろう。大八木弘明監督は「彼が加わると雰囲気が上がってくる」とエースの復帰がチームに与える効果を期待する。問題は実戦感覚。箱根に照準を合わせて調整を続けてきたが、8月半ばから約2カ月間休んだ影響がどう出るか。

順大・塩尻「前回のリベンジしたい」

今シーズンは本職の3千メートル障害でリオ五輪に照準を合わせてきた順大の塩尻。日本選手権では自己ベストを記録するも、参加標準記録(8分30秒00)にわずかに及ばなかったが、大会直前に繰り上がって五輪出場を果たした。学生長距離界で唯一参加した塩尻は初の五輪で予選敗退という惨敗を喫したが、貴重な経験になった。

若きオリンピアンは「レベルの高い試合に出て経験を積み、試合をこなせたので自信になる」と話す。箱根路は2年連続の2区。「前回は悪くない結果(区間5位)だったけどラスト3キロで失速した。リベンジしたい」と意気込む。

前回5位の東海大は往路に4人の1年生をエントリー。特に関颯人、鬼塚翔太、館沢亨次は将来有望のランナーだ。全国高校駅伝で1区を走り続けた関は出雲3区で区間賞。全日本は感染性胃腸炎で欠場したが、初の箱根となる2区ではスピードを生かした走りに注目が集まる。山上りの5区を任された館沢も全日本で3区区間賞を獲得して成長著しい。往路につぎ込んだルーキーたちが快走するようだと、「確実に3位」(両角速監督)どころか、もっと上の順位が見えてくる。

(田中千裕)

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