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先導者頼み脱せるか 「思考停止」の日本マラソン陣

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2016/12/24 6:30
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長い低迷にあえぐ日本マラソン陣の復活へ日本陸連がてこ入れに乗り出す。来年8月の世界選手権(ロンドン)の女子代表選考会でペースメーカーが走る距離を、従来の30キロから中間点までの約21キロに縮めることを決定。五輪と世界選手権のメダリストがレース前半より後半のタイムが速い傾向を踏まえ、ペースメーカーに頼らず独力でメダルへの道を切り開く力をつけさせる狙いだ。

レースパターン、国際大会と正反対

リオ五輪の女子マラソンでは福士の14位が最高だった

リオ五輪の女子マラソンでは福士の14位が最高だった

今夏のリオデジャネイロ五輪では男女ともに1人の入賞者も出せなかった。中でも、福士加代子(ワコール)の14位が最高だった女子は2008年北京から3大会連続で入賞者ゼロとなった。

日本陸連はリオ五輪に向け、入賞の目安として2時間22分30秒の設定記録(男子は2時間6分30秒)を設け、選考会では序盤から速いペースで走る「積極性」を選手に求めてきた。今年1月の大阪国際では福士が中間点(21.0975キロ)を1時間10分28秒で通過。後半は前半よりタイムを落としたものの、設定記録を切る2時間22分17秒で優勝した。後半のペースダウンを見込み、前半に貯金をつくるのは近年の日本勢共通のパターンだった。

だが、国際大会のレースパターンはこれとは正反対。日本陸連によると、過去の五輪と世界選手権で中間点の通過タイムが1時間12分を切ったのは05年世界選手権のみ。前半はゆっくり走って力をため、ペースを上げる後半の方がタイムが速い傾向がほぼ一様にみられた。

「後半で上げた選手は必ずメダルを取っている」と日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー。実際、リオ五輪で金メダルを獲得したスムゴング(ケニア)は前半が1時間12分57秒だったのに対し、後半は1時間11分7秒。福士ら日本の3選手が後半に3~8分以上タイムを落としたのとは対照的だった。

ペースメーカーの走行距離短縮

「前半型」の限界を痛感した日本陸連が着手するのが、国内レースを走るペースメーカーの距離の変更。おおむね30キロが通例だったのを、世界選手権代表選考会の大阪国際(来年1月29日)と名古屋ウィメンズ(3月12日)では中間点までの約21キロに短縮する。

その間の設定タイムは1時間12分0~30秒。五輪などを想定して前半はゆったりと走り、ペースメーカーが外れた後に独力で他の選手を揺さぶったりスパートをかけたりと、レース後半の「積極性」をより重視する方向に路線転換する。

これまでペースメーカーが30キロまで速いペースで先導した背景には「選手に好記録を出させたい」という大会関係者の思惑があった。今年の大阪国際では福士が2時間22分台の好タイムを出し、その結果だけをみれば万々歳。ただ、肝心のリオでは力負けした。レース後半に入っても先導者が好レースをお膳立てする「あまりにもつくられた」(日本陸連の河野匡長距離・マラソンディレクター)選考会は、ペースメーカーがつかず終始激しい駆け引きが繰り広げられる五輪や世界選手権とは別種のもの。選手の経験値を大きく高めるものとは言いがたかった。

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