高速渋滞 年始の日並び悪く、2・3日上りに集中
編集委員 小林明

年末年始の帰省・旅行シーズンが到来する。
今回の特徴は日並びにあまり恵まれず、長期の休みが取りにくいこと。特に年始の1月2・3日に高速道路の渋滞が集中するとみられており、帰省・旅行の年始の帰り道には注意が必要だ。
31・1日が土日で選択肢が限定、多くは4日に「仕事始め」
高速道路各社(東日本、中日本、西日本、本州四国連絡高速道路など)が発表した渋滞予測回数(10キロ以上)によると、下り線・上り線ともに1月2日(月)に最大のピークを迎える。今回は12月31日が土曜日、1月1日が日曜日にあたるため、年始の休みは正月の三が日だけ。多くの人にとって1月4日(水)が「仕事始め」になる。

帰りの上り線で移動日の選択肢が限られてしまい、渋滞がどうしても集中しそうな状況。やはり元日はゆっくりしたいので移動する人は少なく、通常ならば移動日の選択肢は1月2日(月)か3日(火)しかないため、この両日に渋滞が集中して発生する見通し。
年始の上り線渋滞8割超が2・3日に、年末は分散傾向
下り線では年始4日間(1月1~4日)の渋滞(10キロ以上)計34回の半分超が1月2日に集中、上り線では年始4日間の渋滞計78回の8割超が1月2・3日に集中すると各社は予測している。
年末も日並びに恵まれたとは言いがたいが「年始に比べたら渋滞は分散する傾向がある」(東日本高速道路)という。
もし可能ならば、1月4日を休暇にして移動日に当てれば渋滞に巻き込まれる可能性が大きく減るのはグラフから見ても明らか。高速渋滞を避ける有効な対応策として一考に値するだろう。
具体的な渋滞箇所を分析してみよう。
ここに掲載したのは、全国で発生する見通しの25キロ以上(ピーク時)の渋滞23カ所をすべて網羅した一覧表である。下り線で5回、上り線で18回。特に年始の上り線に渋滞が集中していることがわかる。
新東名開通で渋滞緩和、御殿場―豊田東がダブルネットワークに
今回の大きな変化は新東名高速の浜松いなさJCT(ジャンクション)と豊田東JCTの約55キロ間が2月13日に開通したこと。これに伴い、新東名は全長254キロのうちの8割が開通し、御殿場JCTから豊田東JCTまでの約200キロが東名高速とのダブルネットワークになったので渋滞が大幅に解消された。

下り線では名所となってきた音羽蒲郡IC(インターチェンジ)の渋滞が「新東名効果」で解消できたことが大きい。
下り線の予測を見ると、前回(2015~16年)は30キロの渋滞が4回(そのうち3回は音羽蒲郡IC)あったが、今回は最長でも25キロにとどまり、明らかに改善傾向にあることがわかる。
音羽蒲郡ICの渋滞は緩和、一宮ICに要注意
注意すべきは名神高速(東名高速)の一宮IC。
「音羽蒲郡ICの渋滞が解消された後、下り線の渋滞の新たな名所候補」(中日本高速道路)になっており、25キロの渋滞が4回も発生する見通しで全国屈指の渋滞地帯になりそうな状況だ。
上り線では名神高速の小牧ICに要注意。計4回も25キロ以上の渋滞が発生すると予測されている。
「ちょうど国道工事と重なってしまい、出口渋滞が発生すると予測しているため」(中日本高速道路)という。今回の特殊要因ではあるが、ここを通過する利用者は渋滞に巻き込まれないように工夫したい。
最長は「2日大和TN」で55キロ、「2日高坂SA」と「3日大和TN」が45キロ
上下線通じて、最大の渋滞は1月2日上りの東名高速の大和TN(トンネル)で55キロ。次いで同日上りの関越自動車道の高坂SA(サービスエリア)の45キロと1月3日上りの東名高速の大和TNの45キロ。45キロを超えるような深刻な渋滞は、やはり「首都圏の出入り口」に発生する傾向がある。
「上り線の渋滞のピークが集中する午後の時間帯、特に夕刻を食事などにあてて個々の移動が分散するように努力をすれば、渋滞の深刻度もかなり違ってくる」(東日本高速道路)
とにかく他人とできるだけ異なる行動を取ることが大切。1月4日以降に休暇を取って移動日をずらしたり、あえて元日に移動したりするなどの裏技も大きな効果を発揮しそうだ。
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