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ヘビー級の若き王者ジョシュアは新伝説を作るか
スポーツライター 杉浦大介

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2016/12/19 6:30
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世界ヘビー級ボクシングに新たなスーパースター候補が出現――。今年4月、ロンドン五輪の金メダリスト、27歳のアンソニー・ジョシュア(英国)が無敗のまま国際ボクシング連盟(IBF)ヘビー級王座に就いた。

年内に2度の防衛戦をKOで飾った新星は、ここまで18戦全勝(18KO)。2017年中に予定されるビッグファイトも制し、このまま世界的なスターに駆け上がるのだろうか。

身長198cm、リーチは208cmと堂々たる体格を誇るジョシュアは、12年ロンドン五輪で金メダル獲得後に鳴り物入りでプロ入り。プロでも期待通り、無人の荒野を行くがごとくの快進撃を続けてきた。技術、パワー、スピード、しゃべりのうまさを備えた万能派に、周囲が期待を寄せるのは当然だろう。

4月9日にIBFタイトルを保持していたチャールズ・マーティン(米国)に圧倒的な2ラウンドKO勝ちを飾り、プロでも初戴冠。その後、この若武者への期待度は別次元に達した感がある。

話題性は英国内にとどまらず、今年5月の時点で米国内のケーブル局「ショータイム」がジョシュアと独占契約を結んだ。ジョシュアの今年の3度のタイトル戦は、すべて米国でも夕方の時間帯に衛星生中継されている。

「ボクシングをこえたスターになる」

「ここしばらくでヘビー級はより興味深い階級になった。その中でもジョシュアの可能性は無限大だよ。アマチュアでの実績もあるし、英国では絶大な人気を誇る。多くのツールを備えており、スキル、パンチもある。キャリアの早い時期からこれほどの長所を誇示するヘビー級選手が出てきたのは久しぶりのことだ。ボクシングの範囲をこえたスーパースターになっていくだろう」

ショータイムの重役、ステファン・エスピノーザは契約決定直後にそう語り、ジョシュアへの大きな期待を表現していた。

そんなジョシュアのキャリアの中でも、極めて重要な一戦が来春に行われる。12月10日、エリック・モリーナ(米国)に3ラウンドTKO勝ちで2度目の防衛を飾った後、ジョシュアはすぐに3度目の防衛戦を発表した。来年4月29日、世界ボクシング協会(WBA)、IBF、世界ボクシング機構(WBO)の元ヘビー級王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)との対戦が決まったのだ。

「伝説はここから始まるんだ。一夜にしてチャンピオンから伝説的存在に変わることができる。僕の名声を築くために、ウラディミールを倒す必要がある」

この一戦の会見は12月14日にロンドンで開催され、ジョシュアがそう宣言する映像がアメリカでも流された。

15年11月まで11年間も連勝を続けたクリチコは、試合時には41歳になるとはいえ、そう簡単に勝てる相手ではあるまい。アマで140戦134勝、プロでも64勝(53KO)4敗と経験豊富。1996年アトランタ五輪で金メダルを獲得したクリチコは、プロでもヘビー級タイトルで通算18度の防衛を飾った大ベテランである。

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