2019年8月25日(日)

英オプジーボ 8割引きでも「高すぎ」

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2016/12/19 9:06
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日本の薬価制度が約30年ぶりに大きく変わろうとしている。議論の引き金を引いたのは、1年間の薬剤費が3500万円に迫るがん免疫薬「オプジーボ」だ。国内では薬価を半額にすることで決着したが、日本の8割引きの価格が付いた英国では、肺がん患者への適用拡大を巡り、さらなる値下げ交渉が続く。新薬に対する費用対効果が厳しく問われている。

日本では薬価が半額になるオプジーボだが、英国では激しい値下げ交渉が続く

日本では薬価が半額になるオプジーボだが、英国では激しい値下げ交渉が続く

「薬価の抜本的改革に向けて、年内に議論してほしい」

安倍晋三首相が経済財政諮問会議で、期限を区切って注文を出したのは11月25日。薬価見直しに向けた議論は急スピードで進み始めた。

今月初旬の経済財政諮問会議では、薬価の改定頻度を従来の2年に1回から、少なくとも年1回以上とする方針が確認された。薬価の毎年改定が正式に決まれば、実に1986年以来となる。

現行の薬価制度にはいくつかの課題がある。その1つが薬の効果に見合った、適切な値付けという概念の不足だ。

新薬の値付けにあたっって英国では、10年以上前から費用対効果の考え方を導入している。その英国ではオプジーボの肺がん患者への適用拡大を巡り、英当局と激しい値下げ交渉が続いている。

英国でのオプジーボの年間薬剤費は約5万7000ポンド(約800万円)。現時点で日本よりも約8割も安い。

だが英国立医療技術評価機構(NICE、ナイス)は、販売する米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)に対し、その半額でも値引きは不十分だとしている。

それだけではない。ナイスは新しい条件を突きつけた。オプジーボを処方できる対象患者の絞り込みだ。

ナイスが提示した条件は「事前検査でPD│L1(がん細胞に出現する物質)の発現率が10%以上の患者に使用を限定する」というものだ。

事前検査が必要なく、PD│L1の発現率によらず幅広い肺がん患者に処方できるのが、米メルクが開発したライバル薬「キイトルーダ」に対する、オプジーボのメリットだった。

ナイスの条件をのめば、オプジーボはライバル薬に対する切り札を失うことになる。

値引き交渉が長引くなかナイスは今月2日、キイトルーダに対し、肺がん患者への使用を推奨すると発表。英国での承認で先行したオプジーボだったが、ナイスとの交渉に時間を費やす間に、ライバル薬に先を越されてしまったのだ。

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