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[FT]EUの新規制案、米ネット企業に大打撃

2016/12/14 16:05
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 米グーグルや米フェイスブックなどのネット企業は、欧州連合(EU)の欧州委員会が検討中のプライバシーに関する厳しい新規制が課せられれば、ビジネスモデルが成り立たなくなると警戒を強めている。新規制は、ネット企業が閲覧者ごとに興味や関心のある分野に絞って広告を打つ時の検索履歴の利用に関するものだ。

 欧州委から入手した草案によると、新規制はグーグルの閲覧ソフト「クローム」のようなサイトやブラウザー(閲覧ソフト)が検索履歴を基に広告を流す際、利用者の事前同意を義務付ける内容だ。現在は広告を拒否するには、利用者がオプトアウト(情報の利用停止)手続きをとらなければならない。

 EUの執行機関である欧州委は、ネット上のトラッキング(追跡)から売り込みメールなどまで個人情報の保護を定めるネットプライバシー指令を抜本的に見直している。その一環として、フェイスブックの対話アプリ「ワッツアップ」や米マイクロソフトの無料インターネット電話「スカイプ」などへの規制も強化する見通しだ。

 EUは米シリコンバレーの大手ネット企業をより細かく規制しようとしており、今回の新規制はその流れに沿ったものだ。EUではデータ保護や著作権規制の見直しを進めている。グーグルを独占禁止法違反の疑いで調査し始めたほか、アイルランドに拠点を置く米アップルに対し、過去に受けた税優遇分の滞納税や利息分を同国政府に払うよう命じた。

 今回の規制に従わなければ、全世界の売上高の最大4%の罰金が科せられることになりそうだ。最大手企業では数十億ユーロ規模にのぼる可能性がある。規制案はまだ確定しておらず、変更される可能性もある。

 ネット広告を手掛ける企業からは、規制によりネットを使ったビジネスモデル全体が崩れるとの声があがる。「非常に憂慮している。我々の知っているインターネット全体が危機に直面している」と英国のインターネット広告業界団体インターネット・アドバタイジング・ビューローで政策や規制を統括するイブ・シュワルツバート氏は話す。「我々の最大の懸念は利用者に事前同意を求める点だ。広告はネットビジネスの財政面の基盤で、より良いコンテンツを投入するうえで必要なものだ。これではビジネスモデル全体が弱体化してしまいかねない」

 このほかでは、ネット回線を通じてメッセージや通話サービスなどを提供するオーバー・ザ・トップ(OTT)サービスも今回の規制の対象に組み入れられる見通しだ。そうすれば、OTTサービスは無制限には電話の位置情報などを利用できなくなるだろう。新規制案は通信業界が激しいロビー活動を展開した結果、つくられた。同業界はワッツアップを傘下に持つフェイスブックやスカイプを保有するマイクロソフトなどが、規制の甘さをいいことに不当に利益を得ていると主張していた。

 ある大手ネット企業の幹部は「欧州のネット事業の将来にとっても、非常に大きな打撃になると思う」と語った。

 フェイスブックとグーグルはこの件に関し、コメントしていない。

By Madhumita Murgia & Duncan Robinson

(2016年12月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2016. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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