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強いチェルシー、手堅いリスク管理にイタリアの香り

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2016/12/14 6:30
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イングランド・プレミアリーグは前イタリア代表監督のコンテ新監督が率いるチェルシーが首位に立っている。現在、9連勝中で、15節終了時点の勝ち点は37。20年ぶりの2桁順位(10位)に沈んだ昨季とはうって変わり、安定した力を発揮している。(記録は13日現在)

9月にリバプール、アーセナルを相手に2連敗したが、その後、システムを4バックから3バックに変えたことが大当たりした。

コンテ監督がかつて率いたユベントス(イタリア)に似た形で、守備を基本にした3バックだ。プレミアリーグは世界の有力選手が集まっていて、気の抜ける相手がない。だから、手堅く戦おうということだろう。

パリ・サンジェルマン(フランス)から復帰したCBダビドルイスを3バックの真ん中に置き、役割分担をはっきりさせた。ふらふらと攻撃参加しがちだったダビドルイスが余計なことをしなくなり、彼自身も本来のパフォーマンスを取り戻した。

CBの前に、レスターから獲得したMFカンテがいて、スクリーンとなって相手のパスコースを消すとともに、豊富な運動量でこぼれ球を拾ってくれる。

昨季の不振を脱したディエゴコスタ

GKクルトワ、CBダビドルイス、MFカンテ、CFディエゴコスタと縦のラインがしっかりしているのが強みだ。ディエゴコスタは前線で縦パスの的になり、粘ってボールを後方に残してくれる。自身も12得点、5アシストと昨季の不振を脱した。

ディエゴコスタがいるからこそだが、つなぐのが苦しくなったら無理をせず、単純にロングボールを蹴る。その割り切りがいかにもイタリア人監督が率いるチームらしい。とにかくイタリアの香りが強い。

ボールを持つと脅威になるアザールは相手を自分に引きつけることができる。そうなったら、モーゼスやペドロは寄っていかず、アザールに任せてしまう。

ボールを失ったときのために相手のカウンターに備えるポジションを取る。そこにもコンテ監督の手堅さが表れている。リスク管理がきっちりできている。

攻撃の面でも決まり事がかなりある。たとえばウイングのペドロ(ウイリアン)が外に張ると、1列後ろのモーゼスが斜め前に動いて中央に切り込んでいく。

逆にウイングのアザールが中にボールを持ち出すと、1列後ろのアロンソがサイドを駆け上がるという具合だ。動きが非常に整理されていて、内外への2人の連動で巧みに崩す。ユベントスよりタレントがいるので、決まり事の上に様々なオプションが乗ってきている。

アザール、ウイリアン、ペドロなどボールを自分で運べるドリブラーがそろっているのもチェルシーの特徴で、これは他の強豪にも共通する。

近年、ボール保持が重視され、ボールを動かしているうちに隙間ができると考えられてきた。しかし、守備組織が整備され、パスをつないでいるだけでは崩れなくなった。

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