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体操・内村航平に聞く 「だから、僕はプロになる」

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2016/12/8 2:00
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――仲間や信頼できるコーチ、スタッフに囲まれながら競技をしてきた。そうした環境が一変する。

「そこは本当に悩んだ。競技力を維持してこそのプロだと思っている。でも、結局そんな甘いことを言っていたら何も変えられないだろうと。僕の中では、一人でやってこそプロであり、成功するか失敗するかわからないことを成功させるのがプロ」

東京都内の体操教室で子供たちと交流する内村

東京都内の体操教室で子供たちと交流する内村

最後は自分の感覚を一番大事にする

――12月から東京・西が丘の味の素ナショナルトレーニングセンターで独りで練習を始めた。コーチとの関係も、これまで全幅の信頼を置いてきた森泉貴博さんとの関係とは違ったものになりそうだ(高校時代に所属した朝日生命の後輩、佐藤寛朗氏にコーチを依頼)。

「ほぼマンツーマンになるが、今回のコーチは自分に教える人ではない。僕自身の考えで練習を進めながら客観的な意見を言ってもらう。最初は自分の感覚と食い違うところも出てくるだろうが、うまく擦り合わせていきたい。でも、最後は自分の感覚を一番大事にする」

――自信と不安、どちらが大きいか。

「まだ練習も始めたばかりだし、試合も出ていないから何とも言えない。でも自信はある。ここまでの(五輪と世界選手権の個人総合で勝ち続けた)8年間のキャリアは自分の中で絶対的な自信になっている。そこを信じてやるしかない。体操についてはかなりのものを勉強してこられたと思う。あとは年齢とどう向き合っていくか。練習のやり方も変わってくるし、そこは臨機応変というか柔軟に対応していきたいと思っている」

――リオ五輪を振り返ってほしい。いつも試合から帰ると、すぐ録画した映像を見るそうだが。

「今回もそうだった。8月20日に帰国して、記者会見などを終えて日付が変わる頃に自宅に戻ったが、そのままテレビの録画を朝方まで見続けた。もちろん、妻も娘たちも寝ていたので一人きりで。個人総合の決勝は、アナウンサーが最後の得点が出る前に『内村はよくやりましたね』なんて言っていて、もう敗北を覚悟したようだった(笑)。自分はほかの選手の点数を全く見ていなくて、自分の演技に集中していたので、こんなふうにハラハラさせていたんだなと新鮮だった」

――個人総合決勝のオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)との一騎打ちは五輪史に残る名勝負になった。わずか0.099点差で「こんな試合は二度とできない」と語っていたが。

「ロンドン五輪後の4年間で一番苦しい試合だったし、一番力を出し切れた試合でもあった。すべてにおいて満足できたというか、体操ってここまで極限のところでやっていますよ、というのを伝えられたんじゃないか。それが金メダルよりも一番うれしかった」

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