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空気読むアバター 岡山県立大、視線を再現

岡山県立大学の渡辺富夫教授らの研究グループは、アバターと呼ばれるインターネット上の自分の分身が、会話中に自然に振る舞うシステムを開発した。場の雰囲気に合わせた視線の動きを再現し、現実の人の動作に近づけた。SNSなどの会話ソフトやゲームで広く利用されるアバターをより人間らしくでき、ネット上でのコミュニケーションがこれまで以上に円滑になると期待できる。

アバターは、CG(コンピューターグラフィックス)で作られたキャラクターで、会話ソフトなどで自分の代わりに画面に現れる。研究グループは、人間が実際に会話しているときの視線の動きを詳しく調べ、そのデータをもとに視線を動かすアバターを開発した。

開発したアバターは、会話の声の大きさややりとりの数などからその場の雰囲気を判断。会話が盛り上がっているときは相手の顔を注視するのに対し、場が落ち着くにつれて視線を下げたり脇にそらしたりする。

これまでのアバターも、状況に合わせて手を動かしたりうなずいたりしていた。しかし、視線がほとんど動かないため不自然な印象になりがちで、対話しにくいという欠点があった。

開発のために19~24歳の男女合計20人をそれぞれ2人組にして、眼球の動作を計測するデバイスをとりつけて実験。3分間会話してもらい会話中の視線の動きを詳しく調べ、アバターの動きに反映した。

視線の動きを加えた新しいアバターと、従来技術のアバターを、18~24歳の30人にそれぞれ試してもらい、動きが自然に感じるかどうかを調べた。回答を統計的に分析したところ、新技術の方が「対話しやすさ」や「生命感」といった項目で有意に優れていた。

研究グループは今後、場の盛り上がりにあわせて相手を凝視したり視線をはずしたりする技術などを開発し、さらに円滑な会話ができるアバターを開発したい考えだ。手話によるコミュニケーションなど新しい分野への応用も研究を進める。

またロボットへの応用も可能とみており「この技術で人とロボットとの『壁』を取り払えるかもしれない」と渡辺教授は話す。

(科学技術部 矢野摂士)

[日経産業新聞2016年12月6日付]

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