中日・小笠原、元祖「シンノスケ」超えてこそ
スポーツライター 浜田昭八

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2016/12/4 6:30
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「シンノスケ」という名前なら「慎之介」か「慎之輔」と表記されることが多い。だが、プロ野球界ではほぼ「慎之助」と認識されている。言わずと知れた、巨人の重鎮「阿部慎之助」の存在が大きいからだ。それは仕方がないと思いながらも、中日の若いエース候補の小笠原慎之介は自分の名前が誤記されることがあるのに戸惑う。

1軍でそれなりの活躍をしたのは…

打線と救援陣の状態がよければ小笠原の勝ち星はもっと増えていたはず=共同

打線と救援陣の状態がよければ小笠原の勝ち星はもっと増えていたはず=共同

プロ入り1年目のシーズンを終え、小笠原は11月1日に左ヒジの遊離軟骨除去手術を受けた。投手を悩ませる通称「ネズミ」。ずっとヒジの違和感の原因になっていたが、幸いにも手術は成功した。来春のキャンプはスローペースの調整になるが、開幕には間に合いそうだ。

2015年夏の甲子園大会優勝投手という金看板を提げ、ドラフト1位で中日入りした。この年の高校球界には有望選手があふれ、小笠原を含めて4選手がドラフト1位でプロ入りした。だが、1軍でそれなりの活躍をしたのは小笠原だけだった。

左腕の小笠原に対し、右のナンバーワンといわれたソフトバンク・高橋純平(県岐阜商)の1軍登板はなし。楽天・オコエ瑠偉外野手(関東第一高)とロッテ・平沢大河内野手(仙台育英高)は、ともに守備、走塁面で高く評価されたが、打撃が1軍のレベルに届かず、途中から2軍で鍛え直されることになった。

小笠原は開幕こそ2軍スタートだったが、5月24日に1軍入り。以後、2度の2軍落ちがあったが、8月5日に再昇格してからは閉幕まで先発ローテーションに加わって健闘した。シーズンを通しての成績は15登板(先発12、救援3)で2勝6敗、防御率3.36だった。抜群の好成績とはいえないが、内容を精査すると「バックの援護があれば」や「救援陣が頑張っていたら」と思われる惜しい試合が多かった。

1軍登場はセパ交流戦だった。ソフトバンク、オリックス、ロッテ戦に先発、3戦とも五回まで投げた。1、2戦は1点リード、勝利投手の権利を持って交代したが、後続が打たれてプロ初勝利は成らなかった。3戦目は得点1-3で交代したが、スコアはそのまま変わらず、小笠原に初黒星がついた。

7月に救援で3登板したが、大差がついた後だったのでプレッシャーはほとんどなく、1、2イニングを無難にこなした。これは救援向きかどうかをテストされたのではなく、先発ローテーション再加入へのウオームアップをやらせてもらえたようなものだった。予定通り、8月7日のDeNA戦から閉幕まで8戦に先発した。

先発投手が6イニングを投げ、失点3以内なら「クオリティースタート(QS)」として評価される。試合を壊さず、救援陣に後を託した貢献が認められるのだ。小笠原の閉幕前8登板の成績は2勝4敗だった。だが、QSの観点に立つと6試合で試合を壊さずに救援につないでいる。先発の責任は果たしたので、打線と救援陣の状態がよければ小笠原の勝敗は逆になっていただろう。

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