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より長いイニングを 壁打破へドジャース前田の決意
編集委員 篠山正幸

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2016/11/29 6:30
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「もうちょっと変化の小さい球種があれば、球数も少なく長いイニングを投げられる……」。メジャー移籍1年目、防御率3.48で16勝11敗という堂々たる成績を残した前田健太(28、ドジャース)は"凱旋帰国"中のイベントで、来季への課題を口にした。エースの座への挑戦は日米の野球の違いという壁を克服する挑戦となる。

メジャー初登板となった4月6日のパドレス戦で6回無失点、自ら本塁打を放つというデビューを飾った前田。終わってみれば32度の先発登板をこなし、シーズン途中ではけが人が相次いだ投手陣のなかで、エース的な立場に浮上したこともあった。

しかし、前田には不本意な点もあったらしい。負けた試合はもちろん、勝った試合の中にも悔しい勝ちがあり、8月4日、節目の10勝目をマークした1戦がまさにそれだった。

ロッキーズを相手に敵地、クアーズフィールドで登板。1-0の四回に逆転2ランを喫したものの、味方が五回にひっくり返して4-2。

勝ち試合での六回途中交代に「悔しい」

本塁打は打たれたものの、高地の気圧の関係で球が飛びやすいといわれる条件での1発で、気にするほどのものではなかった。だが、思わぬところで降板を告げられることになる。

4月6日、メジャー初登板のパドレス戦では本塁打を放つ見せ場も作った=共同

4月6日、メジャー初登板のパドレス戦では本塁打を放つ見せ場も作った=共同

クリーンアップから始まった六回、3、4番を打ち取り2死。5番打者に左前打を喫したところで、イニング途中の交代となった。

リードを保ったまま降りられたのはよかった、としながらも前田は「あそこを乗り切れるようにしないと。あと1アウトは悔しい」と話した。

今季は32試合に先発し、投球回数は175回3分の2。1試合平均にすると5回3分の2足らずだった。イニングの最長は7回、球数の最高は107球が2回。100球前後できっちりと交代のタイミングが計られ、八回以降は未踏のイニングとして残された。

メジャー1年目の最初の壁は中4日、5日という登板間隔に適応できるかどうかという点だった。入団前の身体検査で引っかかる点があったとされたこともあり、デーブ・ロバーツ監督以下、首脳陣が前田の肉体に相当気遣いながら、起用していたことがうかがえる。16勝はメジャー流のローテーションを完璧にこなしたことを意味するが、イニング数を稼ぐという点では自分自身、物足りない面があったのではないか。

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