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圏央道、カネ生む大動脈に 日本の物流を変革
地方の雇用創造

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2016/11/27 5:30
情報元
日本経済新聞 電子版
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 東名高速・東北道・関越道を受け止め、首都圏を弧で囲む圏央道。本格稼働から1年たち、沿線は最先端の物流基地に変貌した。宅配便が急増する中、日本経済を支える大動脈の現場を歩いた。

「クルマの流れが変わった。夕方には渋滞ができるところもでてきたよ」。余裕で流れていた道路が夜中に向けて走るトラックで渋滞する。そんな変化を話すのは、東武東上線若葉駅から埼玉県川島町の物流施設に向かう際に乗ったタクシーの運転手だった。

■木更津から茅ケ崎まで

景色を一変させたのは首都圏中央連絡自動車道(圏央道)だ。1980年代から計画が進められ、2015年10月に東北道と関越道がつながり、本格的に稼働し始めた。日本の大動脈を受け止め、東京を中心に半径40キロメートルの郊外でぐるりと弧を描く。千葉県木更津市から神奈川県茅ケ崎市まで1都3県を結ぶ。

倉庫街といえば海辺や河辺が多かったが、いまは内陸の圏央道沿いが注目されている。「賃料とのバランスを考えるとメリットが高い」と埼玉県吉見町に拠点を構える日本ロジテム(証券コード9060)の島森憲之執行役員は話す。同社はここで加工食品メーカーの関東圏での物流を一手に担う。

施設内は商品の山。その一角に、加工前の原材料も積まれていた。製造以外の部分をできるだけ外部に出したいメーカーの需要をくみ、物流会社は原材料を保管するスペースも提供する。消費地である首都圏に約1時間で商品を運べる圏央道はうってつけの幹線なのだ。

「もう撮り直さないとね」。神奈川県内陸工業団地協同組合の山本健三常務理事は、応接室に貼られた10年前の工業団地の空撮写真を見ながらこう語る。厚木市と神奈川県愛川町にまたがる230万平方メートルの団地は、自動車産業など日本のものづくりを支えてきた。圏央道にほぼ隣接する地の利のよさからここ数年は物流拠点として注目され、三井不動産(8801)の物流施設などが相次ぎ登場した。「いまだに空き地はないかと物流業者からの打診が後を絶たない」(山本常務理事)

その一角でひときわ目立つ巨大なセンターがヤマトホールディングス(9064)のヤマト運輸の厚木ゲートウェイだ。11月のある平日の午後。同社の拠点のなかでも最大級の規模を誇る大型物流施設のなかに足を踏み入れた。

実際に住宅に配達するスタッフは圧倒的に男性が多いが、物流施設では女性とシニアが中心となって、インターネット通販業者から大量に送付された荷物の仕分け作業にあたっていた。飲料のケースなど重そうな荷物が多いが、女性2人の作業員がてきぱきとこなしていた。重労働ではないか尋ねると「そうでもない」とにこやかに笑う。1人の女性は約15年も仕分けをしているという。

同施設は13年8月に稼働した。1日当たりの荷物の取扱量は3年余りで当初の2倍の40万個強まで増えた。ネット通販の拡大に加え、圏央道の開通で高速道路網とつながったことが大きい。「性別や年齢にとらわれず、とにかく働き手を確保したい」。物流量の拡大、人手が追いつかないくらいだと柿沼貴良ゲートウェイ長は危機感を隠さない。

ゲートウェイに隣接するのは日立物流(9086)傘下の自動車部品物流、バンテック(川崎市)の物流拠点だ。厚木営業所の柳原潤所長は「この2~3年よくなかった荷動きが戻ってきた」と晴れやかな表情を見せる。

主要取引先である日産自動車(7201)が今秋、小型車「ノート」の生産を九州から追浜工場(神奈川県横須賀市)に切り替えたためだ。九州では北米向け多目的スポーツ車(SUV)などの生産に忙しくなった。首都圏での需要が多い「ノート」の生産を、余裕のある追浜に移した。九州から完成車を運ぶよりもコストも時間もかからない。"地産地消"効果でバンテックを出入りするトラックの台数は「5~10%は増えた」(柳原氏)。

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