2019年9月16日(月)

五反田と西中島 VB新聖地に

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2016/11/22 6:30
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■東京・五反田 バイト駆使、勢い

「一緒に五反田を盛り上げていきましょう」。16日夜、東京・五反田のフランス料理店に起業家13人が集まった。「五反田経営者会」の会合だ。

五反田バレー構想について打ち合わせするfreeeの担当者(左)と地域の教育関係者(東京・品川)

五反田バレー構想について打ち合わせするfreeeの担当者(左)と地域の教育関係者(東京・品川)

野菜の通販のオイシックスの高島宏平社長やクラウド会計ソフトのfreee(フリー)(東京・品川)の佐々木大輔社長など著名VBの経営者に交じり、21歳の学生起業家も参加した。和菓子を海外に販売するサムライキャンディー(同・同)の前田有香社長だ。

前田社長は五反田を起業の地に選んだ。新幹線が止まるJR品川駅まで電車で約5分、和菓子店が集まる京都まで約2時間半で行けるのが決め手となった。

五反田にオフィスを構えるVBが増え始めたのはここ数年。背景にあるのは不動産市況の変化。再開発で賃料が上昇した渋谷や六本木と比べて、五反田は2~3割安い。数十~200人の従業員を抱えるVBに適した規模のオフィスも豊富だ。

「渋谷駅から徒歩15分と五反田駅から徒歩5分は賃料がほぼ同じ」と指摘するのはビジネス情報メディアのU-NOTE(同・同)の小出悠人社長。大学も多く、学生アルバイトも集めやすい。

五反田の周辺には住宅地も多い。飲食店アプリのRetty(レッティ、同・同)に4月に入社した外村璃絵さんは会社から徒歩10分の高輪台に住む。「会社の近くにおいしいお店がたくさんあり、社員と一緒に行けるのが楽しい」と笑う。

かつては「六本木ヒルズ」などの高層ビルにオフィスを構えることが起業家のステータスとされていた。今は「事業で成果を上げるためのコストパフォーマンスを大切にしている」(フリーの佐々木社長)。スマートフォンの鍵管理システムを開発するフォトシンス(同・同)の河瀬航大社長は「五反田は伸びているVBが集まっており、勢いを感じる」という。

10月に開かれたイベント「五反田ベンチャー人事部」にはフリーとレッティの人事担当者が登壇した。両社の採用手法を聞こうとVBの人事担当者ら約50人が足を運んだ。主催した人材サービスのビズリーチ(東京・渋谷)の担当者は「五反田は採用意欲の高いVBが多い」と説明する。

起業しやすい街「五反田バレー」をつくる構想も動き出した。VBの技術者が地域の小中学生にIT(情報技術)を教えたり、各社のノウハウを持ち寄って飲食店の開業を支援したりする案が出ている。五反田で印刷会社を経営する鶴井正博氏は「VBが増えれば地域の中小企業も元気になる」と期待する。

(企業報道部 世瀬周一郎、鈴木健二朗)

[日経産業新聞 11月22日付]

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