2018年7月21日(土)

五反田と西中島 VB新聖地に

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2016/11/22 6:30
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 東は五反田、西は西中島――。ベンチャー企業(VB)が集まる地域が変わりつつある。東京の渋谷や六本木、大阪の梅田に代わって「起業しやすい街」として注目を集めるのが東京都品川区の五反田と大阪市淀川区の西中島だ。家賃の安さや交通アクセスの良さだけが理由ではない。地域の飲食店や学校もVBの成長に貢献している。

 ■大阪・西中島 大学院から人材

 10月上旬、「にしなかバレー」の会合がJR新大阪駅に直結したビルの1室で行われた。世話人を務める新卒採用仲介サービス、アイプラグ(大阪市)の中野智哉社長が「バレー部と間違えられることも少なくなってきた」とあいさつすると、会場に笑いが広がった。

 にしなかバレーは大阪市営地下鉄の西中島南方駅から半径2キロメートル以内に重要拠点を置くベンチャー企業の集まり。参加企業は約30社で、業種は訪日観光客サービスや介護など様々。参加を決めた通信分野のVBの若手経営者は「情報交換などができれば」と期待する。

 アイプラグの中野社長は西中島の魅力を「利便性が高いのに、賃料が安い」と説明する。新大阪駅は徒歩圏にあり、梅田も地下鉄を使えば約5分で行ける。郊外まで伸びる鉄道網もあり、「幅広い地域から人材を採用しやすい」(中野社長)。

 不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると、10階建て程度のオフィスの賃料相場は梅田の場合、1坪(約3.3平方メートル)あたり平均1万7400円。「西中島だと1万円以下の物件が多い」(にしなかバレーの会員企業)

 近くに歓楽街があることに加え、再開発が進まず、小規模の雑居ビルが多く残っているためだ。だが、VBにとって、小規模の雑居ビルの方が使い勝手はよい。歓楽街には深夜営業している飲食店が多く、オフィスで寝泊まりすることもある起業家には好都合だ。

 西中島を「起業の聖地」にしている要素には教育機関もある。グロービス経営大学院大阪校だ。経営学修士(MBA)コースがある同校は西中島から徒歩圏。にしなかバレー参加企業の経営者の半数が同校の卒業生や在校生で、西中島に人材を輩出する役割も担う。

 VBを対象にしたサービスも充実している。

 保育事業のS・S・M(大阪市)は子育てをしながらVBで働く女性が増えていることに着目、西中島に保育施設を12月に開く。にしなかバレーのメンバーでもある上野公嗣社長は「近隣の保育園は定員オーバー。手助けができれば」と語る。

 不動産会社の間では、コワーキングスペース(共有オフィス)を設置する動きもある。オフィス家具などの備品が用意されており、年5万円から借りられる。創業間もない段階からVBを顧客に取り込み、彼らが成長したときに、広いオフィスを提供するのが狙いだ。

 北條明宏さんは共有オフィスで起業して吹奏楽の動画配信サービスを始める。「固定費を抑えられるのは利点」と語る。

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