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豊島逸夫の金のつぶやき

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トランプ相場を試すイタリア ソロス氏にも注目

2016/11/21 9:53
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「Dデイ」は12月4日、イタリア国民投票の日。

ニューヨーク(NY)の年金もヘッジファンドも、結果次第で、欧州連合(EU)からの離脱ドミノを誘発しかねないリスクとして身構えている。

イタリアの国債などの信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場も、英国のEU離脱決定時に180台まで跳ね上がった後は130台まで下がっていたが、ここにきて160台まで急騰中だ。

イタリア10年債利回りも一時は1%台まで下落していたが、2%台まで急速に戻し、英EU離脱時の水準に接近してきた。

変化を嫌うイタリアで、改革の旗手として登場したレンツィ首相。「決められない国会」からの脱却を目指し、立法府改革のための憲法改正の是非を問う国民投票の実施に打ってでた。しかし、彼は大きな過ちを犯した。「負ければ首相辞任もいとわず」と発言したのだ。

現政権の信任が問われることになり、野党、特に「五つ星運動」など人民迎合的な政党の政権批判もボルテージが上がった。米大統領選挙でのトランプ氏勝利で、孤立主義思想や反EU感情が勢いを得ている。

しかも、イタリア経済は膨張した公的債務処理と高失業率からの脱却に手間取り、独仏に比べて不安定な要因が目立つ。国民の不満も鬱積している。

その結果、現状では与党と五つ星運動が競り合っている。もしレンツィ首相が負けるようなことがあると、市場はイタリアのユーロ、さらにEUからの離脱を連想することになろう。ユーロが売られ、ドルとのパリティ(1ドル=1ユーロの等価)の可能性も指摘される。円は相対的に安全な通貨として買われよう。

円売りポジションを急速に構築しつつあるヘッジファンドは一斉に巻き戻しを強いられる。「そのときは倍返し」と言ってはばからないファンドの声も聞こえてくる。

一方で、NYの株式市場では米国視点での「国際分散投資」の対象として、欧州株に比べた日本株の相対的安定性に注目するファンドもある。既にかなり円安が進んだので、仮に円高になっても企業業績への影響は限定的と見ている。新興国株・中国株には不安感が、米国株には高値警戒感がつきまとうので、消去法ながら日本株に注目しているのだ。

先週、発表されたヘッジファンドの米証券取引委員会(SEC)への四半期運用報告において、米著名投資家のジョージ・ソロス氏が率いるソロス・ファンド・マネジメントが日本株の上場投資信託(ETF)を3400万ドルほどだが、購入したことも明らかになっている。2016年7~9月期での買いだが、日本株見直しを象徴する現象と見られている。

足元では外国人買いが増えているが、そのほとんどがヘッジファンドだ。長期運用の米年金基金はトランプ氏の人事・経済政策を見極める姿勢でいまだ動いていないからだ。

それゆえ、現在進行中の「トランプ相場」も、潮目が変わると大きく振れるリスクをはらむ。

イタリア国民投票以外にも、米雇用統計そして12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)も控えており、今週の米感謝祭終了後の相場展開は予断を許さない。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸's OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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