出光漂流(上) 海賊という名の亡霊
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出光興産と昭和シェル石油の合併が暗礁に乗り上げている。出光は創業家の反対によって、合併の無期限延期に追い込まれ、昭シェル株取得も3度目の延期となった。創業家と経営陣は、話し合いすらできないほど溝を深めている。その根底には、資本主義にあらがい続けた創業者、出光佐三の理念が横たわっている。近く映画も公開される「海賊」の魂が、出光両陣営を海図なき戦いに誘っている。
前哨戦
驚異的なガソリン価格に引き寄せられるように、街道からクルマが...
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