2019年6月26日(水)

AIが変える採用 人材の戦力を公平に判断

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2016/11/18 6:30
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VentureBeat

人間は公平な採用活動を望んでいるのに、全ての判断に偏見が存在し、しかもそのことにほとんど気付いていない。採用責任者が同じ大学の出身者やスポーツへの関心など個人的なつながりで候補者を推薦したり、職歴にブランクがあるせいで適切な候補者が検討の対象にならなかったりすることはよくある。

■データから色眼鏡抜きで客観的に選択

AIは就職活動を大きく変える可能性がある(C)Shutterstock.com/Rawpixel.com

AIは就職活動を大きく変える可能性がある(C)Shutterstock.com/Rawpixel.com

多様な労働力が組織の収益を向上させることは証明済みだが、重要なのは多様で競争力の高い労働力を築き、維持できるかだ。履歴書に頼った時代遅れで偏見に傾きがちなプロセスから生じる個人的な偏見が、これを阻む。これこそが組織が直面する最も重要な課題の一つである。適切な人材がいなければ、組織は製品やサービスで競わなくなるからだ。

状況を厄介にしている一因は、判断材料となる質の高いデータの欠如だ。採用では履歴書や面接、成績評価などさまざまなデータソースを活用し、今ではこれに従業員の成績や能力、退社リスクを追跡するために使う「エンゲージメントデータ」も加わる。こうした複雑なデータセットはそれ自体が難解で、整合性については言うまでもない。こうしたデータソースをよく理解できない大半の人は、無意識の偏見そのものの本能的直感に頼る。

われわれにはデータの多様性と整合性、そのデータをより大きな規模で着実に処理する能力が必要だ。標準データがあれば、1人で100人の採用の可否を判断できるかもしれない。だが、コンピューターを1台使えば10万人以上の面接と採用判断を処理できるようになる。

電話による選考や対面での面接の主な目的の一つは、ソフト能力の評価だ。これにはコミュニケーションや適応、チームワーク、意欲、積極性など履歴書では分からないありとあらゆる特性が含まれる。

従来の面接では、こうした貴重な現場のデータは面接が終われば全て失われる。後に残るのはイエス・ノー式の大まかな評価と、その候補者がなぜ最適と思うか、それとも思わないかという曖昧な記憶だけだ。一方、広がりつつあるデジタル面接では、こうしたデータはもはや失われず、記録されて分析も可能になる。われわれはこれまで存在しなかった極めて貴重なデータを持つようになる。

■ソフト能力も数値化

(筆者が所属する)ウェブ面接プラットフォームの米ハイアービューは、面接時の声の調子や言い回し、かすかな表情を抽出する独自の面接モデルを開発。こうした特徴全てを全体のモデルに盛り込むことで、相互検証を使って新たなデータを予測し、代替評価にも対抗できるモデルを発掘した。注目すべきテスト導入の事例としては、面接での3つの質問で入社後の安全違反を予測した運送会社や、採用期間を6週間から5日間に減らした世界的なサービス企業などがある。

人材獲得の産業心理学で、適性・正確さを表す標準的な尺度はR値だ。深層・機械学習を活用したモデルのR値は、人間が採用を管理したグループよりも大幅に高い。

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