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AIが変える採用 人材の戦力を公平に判断

VentureBeat

人間は公平な採用活動を望んでいるのに、全ての判断に偏見が存在し、しかもそのことにほとんど気付いていない。採用責任者が同じ大学の出身者やスポーツへの関心など個人的なつながりで候補者を推薦したり、職歴にブランクがあるせいで適切な候補者が検討の対象にならなかったりすることはよくある。

データから色眼鏡抜きで客観的に選択

多様な労働力が組織の収益を向上させることは証明済みだが、重要なのは多様で競争力の高い労働力を築き、維持できるかだ。履歴書に頼った時代遅れで偏見に傾きがちなプロセスから生じる個人的な偏見が、これを阻む。これこそが組織が直面する最も重要な課題の一つである。適切な人材がいなければ、組織は製品やサービスで競わなくなるからだ。

状況を厄介にしている一因は、判断材料となる質の高いデータの欠如だ。採用では履歴書や面接、成績評価などさまざまなデータソースを活用し、今ではこれに従業員の成績や能力、退社リスクを追跡するために使う「エンゲージメントデータ」も加わる。こうした複雑なデータセットはそれ自体が難解で、整合性については言うまでもない。こうしたデータソースをよく理解できない大半の人は、無意識の偏見そのものの本能的直感に頼る。

われわれにはデータの多様性と整合性、そのデータをより大きな規模で着実に処理する能力が必要だ。標準データがあれば、1人で100人の採用の可否を判断できるかもしれない。だが、コンピューターを1台使えば10万人以上の面接と採用判断を処理できるようになる。

電話による選考や対面での面接の主な目的の一つは、ソフト能力の評価だ。これにはコミュニケーションや適応、チームワーク、意欲、積極性など履歴書では分からないありとあらゆる特性が含まれる。

従来の面接では、こうした貴重な現場のデータは面接が終われば全て失われる。後に残るのはイエス・ノー式の大まかな評価と、その候補者がなぜ最適と思うか、それとも思わないかという曖昧な記憶だけだ。一方、広がりつつあるデジタル面接では、こうしたデータはもはや失われず、記録されて分析も可能になる。われわれはこれまで存在しなかった極めて貴重なデータを持つようになる。

ソフト能力も数値化

(筆者が所属する)ウェブ面接プラットフォームの米ハイアービューは、面接時の声の調子や言い回し、かすかな表情を抽出する独自の面接モデルを開発。こうした特徴全てを全体のモデルに盛り込むことで、相互検証を使って新たなデータを予測し、代替評価にも対抗できるモデルを発掘した。注目すべきテスト導入の事例としては、面接での3つの質問で入社後の安全違反を予測した運送会社や、採用期間を6週間から5日間に減らした世界的なサービス企業などがある。

人材獲得の産業心理学で、適性・正確さを表す標準的な尺度はR値だ。深層・機械学習を活用したモデルのR値は、人間が採用を管理したグループよりも大幅に高い。

 面接を分析するもう一つの副次的効果は、質問の質にも客観的基準があるとついに判明したことだ。ほとんどの企業は規模にかかわらず、面接で何を質問すればよいのか確信が持てずにいる。こうした質問は面接モデルが機能するために不可欠であり、データサイエンスチームは成績下位者と上位者の間で回答が大きく異なる質問が最も(入社後を)予測できることに気付いた。面接で既に収集している一連の特徴とともに、この差は客観的に測定できる。こうした面接モデルを使えば、企業は本当に大事な質問に集中し、偏見を避けることができる。

求職者側にもプラスの影響

人工知能(AI)は人間が担うべき仕事のルールをどんどん変えている。人間が担わなくてはならないと思っていたことが、年々脅かされている。人間は車を運転し、就職希望者をふるいにかけ、医用画像を診断し、米クイズ番組「ジェパディ」で競わなくてはならないと思い込んでいたが、そうではなかったようだ。

では、強烈なインパクトを持つ機械学習やAIを使った解決策を自社で試す機会は、どう探せばよいのだろうか。

●手作業で時間もかかるプロセスのうち、連係の弱い箇所を探す。
●自社のプロセスで人間では効率が悪いのはどこだろうか。常に問題が発生するのはプロセスのどの場所か。
●有意義なデータを収集できたためしがないのはどのプロセスか。データ収集方法を検討してほしい。

採用でのAIの導入事例は既に多くの組織に影響を及ぼしている。最高の候補者をより素早く採用できれば、資金を節約し、競争優位を得られるからだ。性別や人種、年齢、職歴のブランク、出身大学にかかわらず同じ機会が与えられるため、求職者にもプラスの影響がある。この慣習が発展すれば、人間は採用してくれた機械に感謝しなくてはならなくなるかもしれない。

By Mark Newman (ハイアービュー)

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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