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W杯予選 首位快走 ブラジルが貫く攻撃的スタイル
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2016/11/18 6:30
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最大の宿敵アルゼンチンをホームに迎えたサッカー2018年ワールドカップ(W杯)南米予選。59分、ブラジルが3点目を挙げて勝利を確実にすると、5万4千人を超える観衆の歓喜が爆発した。周囲の誰彼となく抱き合い、飛び跳ね、手を振り回して叫び続ける。

チャンピオンが帰ってきたぞ!

「カンペオン、ヴォウトウ!」(チャンピオンが帰ってきたぞ!)

今夏のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したときにも聞かれた、あの「王者復活のチャント」である。

試合が行われたのは、自国開催の14年W杯準決勝でドイツに1-7という歴史的大敗を喫したミネイロン・スタジアム。ここでライバルに快勝したことで、2年4カ月前の屈辱を消し去った、とは言えないまでも、多少なりとも和らげることができた。ブラジルサッカーにとって、特別な意味を持つ勝利だった。

10日夜(日本時間11日午前)、W杯南米予選(参加10カ国)第11節のブラジル―アルゼンチン戦がブラジル南東部ベロオリゾンテで行われた。ともにサッカー大国であり、代表同士の試合としては南米最大のダービーマッチである。

試合前の時点で、ブラジルは首位。今年3月末の第6節終了時点では6位に沈んでいたが、6月の南米選手権100周年記念大会で1次リーグで敗退してドゥンガ監督が解任され、名門コリンチャンスを率いて世界クラブ王者になった実績を持つチチ氏が監督に就任するとチームが一変した。19歳のCFガブリエルジェズス(パルメイラス)、24歳のMFコウチーニョ(リバプール)らを抜てきし、高い位置からの連動した守備で相手の攻撃の選択肢を狭め、ボールを奪うとSB、ボランチも積極的に攻め上がるダイナミックなスタイルをたたき込み、4戦全勝と好調だった。

一方、アルゼンチンは6位。第6節が終わった時点では首位と勝ち点2差の3位だったが、南米選手権100周年記念大会の決勝で延長、PK戦の末にチリに敗れるとマルティーノ監督が辞任。過去に2度、南米クラブ王者となっているバウサ氏が後任に指名されたが、攻撃陣と守備陣が間延びして連動したプレーが見られず、1勝2分1敗と苦しんでいた。

試合の序盤は、アルゼンチンが優勢。24分、ボランチのビーリャ(ラツィオ)が強烈なミドルシュートを放ったが、ブラジルのGKアリソン(ローマ)が辛うじて防いだ。

その直後、ブラジルは左サイドで左SBマルセロ(レアル・マドリード)が前へ短いパスを送り、FWネイマール(バルセロナ)がダイレクトで前へたたくと、タイミング良く走り込んだコウチーニョがドリブルでカットインしながらマーカーをかわし、ファーサイドの上隅へ強烈なミドルシュートをたたき込んだ。

メッシ封じ、決定的な仕事させず

リードされたアルゼンチンが人数をかけて攻めるが、ブラジルはアタッカーも加わっての全員守備で跳ね返し、すかさず危険なカウンターを繰り出す。

前半の追加タイム、ブラジルはボランチのパウリーニョ(広州恒大)からの縦パスを受けたガブリエルジェズスがピッチ中央をドリブルで突進して相手守備陣の注意をひきつけると、後方から猛然とダッシュしてきたネイマールへ絶妙のスルーパス。ネイマールが圧倒的なスピードで最終ラインを突破し、GKの逆を突いてファーサイドへ流し込んだ。

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