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W杯予選、ハリルJが苦しみの中で見せた強さ
サッカージャーナリスト 大住良之

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2016/11/17 6:30
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10試合のワールドカップ・アジア最終予選も折り返しの第5節。15日、バヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は埼玉スタジアムにB組首位のサウジアラビアを迎え、同監督就任以来最高と言っていい内容で2-1の勝利を得た。同じ日に行われた試合でオーストラリアがタイと2-2で引き分け、アラブ首長国連邦(UAE)がイラクを2-0で退けたため、B組首位はサウジで変わらず、2位に同勝ち点(10)で日本、3、4位に勝ち点9のオーストラリアとUAEとなった。

大黒柱・本田も先発から外れる

9月から中心選手のコンディション不良に悩まされてきたハリルホジッチ監督。どうしても勝たなければならない試合で重大な決断をした。9月のタイ戦で先発を外れたMF香川真司、10月のオーストラリア戦で出場機会のなかったFW岡崎慎司に加え、大黒柱として活躍してきたMF本田圭佑も先発から外したのだ。

攻撃ラインは1トップにFW大迫勇也、2列目は右から久保裕也、清武弘嗣、原口元気の3人。これまで日本代表の攻撃をけん引してきた本田を欠いて攻撃の起点をどうつくるのか、懸念された。

本田は日本の攻撃陣でただ一人の「重量級」であり、相手の激しい当たりに耐えてボールをキープし、他の選手をフリーにしてタイミングの良いパスで攻撃を切り開くだけでなく、得点源ともなってきた。その「重さ」がなくなる懸念は小さくはなかった。

だがこの試合の日本代表が見せたのは、これまでにみられなかった攻撃だった。

ドイツのブンデスリーガで絶好調の大迫が最前線で体とテクニックを使ってボールをキープし、その周囲で何人もの選手が果敢な「フリーランニング(ボールなしの動き)」を見せた。その攻撃陣を、大迫の近くに位置する清武が自在に使い、サウジの堅守を何回もこじ開けたのだ。

大迫(左)は体とテクニックを使い、最前線でボールをキープした=共同

大迫(左)は体とテクニックを使い、最前線でボールをキープした=共同

そして相手ボールになると最前線から厳しいプレスに入った。ボランチの長谷部誠と山口蛍も「前に出る(ボールを奪いにいく)守備」を見せ、サイドバックの酒井宏樹と長友佑都も果敢にインターセプトを狙った。

プレスが効かず、サウジにパスを回される時間帯もあった。後半はそれが少し長くなった。日本サッカー協会が発表した最終的なデータによると、ボール支配率は日本が44.7%。サウジが55.3%。だがシュート数は日本が16本、サウジがわずか5本だった。私の集計では、日本は16本のうち10本(前後半5本ずつ)をゴールの枠内に飛ばし、サウジのゴールを脅かし続けた。

サウジの思うようにプレーさせず

サウジに許したシュートは、18分に日本の右サイドを突破されて打たれたもの以外に、33分のFK、90分の失点時の2本、そして95分のヘディングシュートだけだった。すなわち、サウジアラビアが日本のゴールに迫ることができたのは、FKを除けば3回だけだったということができる。2-1という最終スコア、そしてボール支配率のデータ以上に、日本が試合をコントロールし、相手には思うようにプレーさせなかった試合だった。

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