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振り返るのもつらい惨敗レース フィナーレはまだ先
編集委員 吉田誠一

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2016/11/16 6:30
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人生には振り返りたくないことがある。思い出したくないことがある。ランナーには振り返りたくも、思い出したくもないレースがある。困ったことに、私にはそういうレースがヤマほどある。

さいたま国際マラソンでは3時間50分27秒だった。自己ワーストに近い。人生には振り返りたくないことがある

さいたま国際マラソンでは3時間50分27秒だった。自己ワーストに近い。人生には振り返りたくないことがある

11月13日、さいたま国際マラソンで私はまたしてもひどいことになった。あまりにもひどい。ひどすぎる。3時間50分27秒という記録(ネットタイム)は自己ワーストに近い。12年前の初マラソンのタイムと2分しか違わない。

例によって、前半がオーバーペースだったのだと思う。15キロまで、5キロを23分10秒台のペース(1キロを4分40秒)で走った。そのままいったら、自己ベストも狙えるペースだ。

午前9時の気温が13度(最高気温は19度)と、この時期にしては高かったにもかかわらず、無造作に走り始めてしまった。スタート地点で全地球測位システム(GPS)付きスポーツウオッチが衛星をとらえなかったため、5キロまでペースをつかめぬまま、いい加減に走ったのが失敗の始まりだった。

私は惨敗のたびに、30キロまでは無類の強さを発揮するのに、マラソンのレースマネジメントが苦手だったスピードランナー、早田俊幸さん(元カネボウ)を描いた『速すぎたランナー』を思い出す。

この著書の中でバルセロナ五輪メダリストの森下広一さんがこう語っている。

マネジメントでなく「走らされている」

「マラソンに求められるスピードというのは、ただ単に速く走るということじゃないんです。レースの流れにあわせて序盤でも最後のトラック勝負になっても、臨機応変にスピード走行を繰り出せるかどうかがキーポイント。そのためには、まずゆっくり走る術を身につけなければいけない」

那須川瑞穂(ユニバーサルエンターテインメント)が日本人最高の5位=共同

那須川瑞穂(ユニバーサルエンターテインメント)が日本人最高の5位=共同

「ゆっくり」というのは「余裕を持って」ということだが、この「ゆっくり走る」難しさを私は毎回、思い知らされている。

同書にある瀬古利彦さんの言葉もかみしめなければいけない。

「早田君のレースを見ていると、いつもだいたい先頭集団の中でもトップに近い位置で走っていますよね。だけど彼は決して試合を支配しているわけじゃない。早田君は他の選手が支配している試合を走らされているだけなんです」

この「支配する」というのが重要なのに、私はいつもレースをマネジメントできない。きちんと計算をし、全体像を把握したうえで主体的に走るのではなく、むやみに「走らされている」状態に近い。

以前も書いたことだが、次元の違うランナーであるのはわかったうえで、早田さんにシンパシーを抱いてしまう。私は今回も「速すぎたランナー」と化した。だからなおさら、小刻みにアップダウンが続くコースでダメージを受けた。

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