介護も巨大市場? 中国需要、ニチイら調査

2016/11/15 6:30
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ニチイ学館と医療用ベッド大手のパラマウントベッド(東京・江東、木村恭介社長)などは共同で中国事業の拡大に乗り出す。10月末に経済産業省の実証事業を受託。現地で通所介護(デイサービス)など新規サービスの需要を調べるほか、介護予防などのイベントを実施する。新規事業の可能性を探り、介護サービスの市場拡大につなげる。

ニチイ学館は介護予防などのセミナーを開く(深圳市)

ニチイ学館は介護予防などのセミナーを開く(深圳市)

経産省が推進する「医療技術・サービス拠点化促進事業」を受託した。政府は官民で医薬品や医療技術の輸出を進めているが、介護サービスは取り組みが遅れていた。市場拡大が見込まれる中国での実証事業を通じて、介護サービスの輸出に弾みを付けるのが狙いだ。

今回の事業はニチイやパラマウントベッド、車いすメーカーのカワムラサイクル(神戸市、飯島裕治社長)、認知症予防のプログラム開発を手がける「P2P BANK」(東京・世田谷、東博文社長)の4社が参画する。総事業費は約4000万円で、12月から来年2月末まで実施する。

ニチイは拠点をもつ北京など14都市で、中国ではまだ手がけていないデイサービスや老人ホームなどの新規事業の需要が見込めるかを調査する。顧客の規模や新規事業への要望などを高齢者に聞き取る。

ニチイは中国で訪問介護やベビーシッター事業を展開してきたが、先行投資が重く赤字が続く。2016年度の売上高は40億円程度を見込み、17年度の黒字化を予定している。新規事業に乗り出して「中国事業の拡大につなげる」(中村大介・中国事業企画推進課課長)。

介護予防や福祉用具に関するイベントも開催する。ニチイとP2Pが共同で介護予防のイベントを開き、ゴム状のひもを使って腕や足を伸ばす運動などを高齢者に体験してもらう。参加者が集まればイベントの事業化も検討する。

同時にニチイはパラマウントベッドやカワムラサイクルの現地法人と組み、医療用ベッドや車いすの使用法などを説明するセミナーを開く。

パラマウントベッドとカワムラサイクルはセミナー開催が販売増につながるとみる。2社は現地で医療用ベッドや車いすを販売するが、現地メーカーに比べて価格が高く、これまで販売が振るわなかったという。セミナーを通じて性能の高さを宣伝できると考えた。

大和総研によると、中国のシルバー産業の潜在市場規模は50年に107兆元(約1680兆円)になると予想される。日本勢は現段階から進出することで、顧客の囲い込みを目指す。

(企業報道部 寺井浩介)

[日経産業新聞 11月15日付]

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