「ノリボケ漫才」ハライチの澤部佑 ソロで芸域広がる
目指すはコンビでの成功
近年、テレビ界での評価が高まっている芸人の1人が、ハライチの澤部佑だ。今年は花王メンズビオレとアサヒ飲料ワンダのCMキャラクターに決まり、連ドラ『水族館ガール』に出演するなど俳優業もこなしている。ニホンモニターの「2016年上半期タレント出演本数ランキング」では個人で4位に入った。コンビの仕事と並行しながら取り組むソロでの活動を、どう感じているのだろう。

「コンビでは経験できないことも多くて本当に勉強になります。僕は一応ツッコミなのでツッコんだり、いじっていただいて返す、というのが基本的なスタイルなんです。『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)や『しくじり先生』(テレビ朝日系)は楽しみながらできる領域なんですが、ネタレース番組の『じわじわチャップリン』(テレビ東京系)では、先輩芸人さんもいるなかでの進行役なので難しいです」
「『R-1ぐらんぷり』で優勝したばかりのハリウッドザコシショウさんが、ステージには行けない"ふきだまり"というスペースにいつも通りいたり(笑)。場を仕切るには、どんな状況にも対応できる力量が必要だというのを毎回痛感しています」
「1人で出演するときの悩みは、ちゃんとボケられないこと。本職のボケにはなりきれないというか。岩井(勇気)がいたらなと、相方のありがたみを感じます」
最も影響力を感じたソロの仕事は、『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)だという。関東では独立局での放送となるが、関西地区では誰もが知る人気番組である。
「僕は関東の人間なので、あまり見られなかったんですが、だからこそプレッシャーはありました。『ナイトスクープ』に出始めてからの反響は、すぐに実感しましたね。営業で関西に行くと、オバちゃんから子どもまで『探偵の澤部だ』という感じで、みなさん声をかけてくれるようになりました」
「個人での仕事をしていると、おのずと芸風の幅は広がります。『ナイトスクープ』で一般の方と絡んだり、『志村の時間』(フジテレビ系)で志村けんさんとご一緒すると、みなさんいろんなふうにいじってくれて。それに応じて返していると鍛えられますよね。お芝居の仕事も、もしそれで演技力が少しでも高まったとしたら、漫才にも生きてくるでしょうし、経験が全部つながればいいなと思っています」
「岩井とは幼なじみなので、毎週ラジオ収録のときに向かい合ってしゃべると、すぐにコンビの感覚に戻れます。よく話すのは、芸人としてもっと売れて、地元に2人でラーメン屋を出したいねって(笑)。目指すのは結局、コンビとして成功すること。さまぁ~ずさんのように、仲良く2人でやっている姿を見せていけたらと思っています」

(「日経エンタテインメント!」11月号の記事を再構成。敬称略、文・内藤悦子 写真・中村嘉昭)
[日経MJ2016年11月11日付]
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