AIで失業 ベーシックインカムは正しい解決策か

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2016/11/11 6:20
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VentureBeat

「上司からの大事なメールに返信してください」

「今日はその青のワンピースを着てください。新しい靴に合いますよ」

「休暇はタヒチに行ってください。今ならタヒチ行きの航空券がお得です」

これは全て人工知能(AI)アシスタントからのアドバイスだ。もっといろんなアドバイスもくれる。われわれの生活をより良くするために、こうしたアシスタントが続々と登場。米アマゾン「アレクサ」や米アップル「シリ」、米サウンドハウンドなどの大手やスタートアップ各社がしのぎを削っている。

例えば「アルテラ」は次の旅行先を決めるのを手伝い、「ルカ」は外食プランを一緒に考え、レストランを選んでくれる。「ファインド」は個人のクラウドやメールボックスからメールやファイル、チケット、メモを見つけてくれる。「キュービック・ロボティクス」は家を管理するスマート執事だ。そして「リアルティ・エディター」のおかげで、照明機器やテクノロジー、車など実際のモノをスマートフォン(スマホ)で制御できる。

■AIで大量失業の懸念、解決策にベーシックインカム浮上

こうしたAIの友人はやがて身の回りの世話だけでなく、仕事も引き受けるようになるだろう。米配車アプリのウーバーテクノロジーズは9月、米ペンシルベニア州ピッツバーグで同社初の自動運転サービスに乗り出した。2030年までに既存の車両を全て自動運転車に替える方針だ。

このニュースを受け、経済や業界の専門家はAIのせいで米失業率が急上昇する可能性を検討している。ホワイトハウスの金融担当者は、時給20ドル未満の労働者は近くAIに完全に取って代わられると予測。実際の数字で示すと、生産や卸売り、サービス業に属する約3億5000万人の労働者が失業することになる。

こうしたデータは妥当な解決策を求める激しい論争を巻き起こしている。解決策の一つとして提案されているのが「ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI、全国民向け最低生活保障)」だ。

UBIの政策案によると、全国民は所得水準や就業状態にかかわらず、政府から一定額を支給される権利を持つ。そして、この支給額は生活に必要最低限でなくてはならない。英エコノミスト紙の最近の記事によると、UBIは対国内総生産(GDP)比での税収で算出可能だ。これに基づくと、米政府は現時点では年6300ドル(月525ドル)のベーシックインカムを全国民に支払うことになる。

いくつかの国はこのアイデアを検討したり、実際に実験に取り組んだりしている。例えば、フィンランドは1人あたり月600ドルのベーシックインカムを2年間給付する実験に入っている。さらに、サム・アルトマン氏(米有力アクセラレーター、Yコンビネーターの元社長でベンチャー投資家)も同様の実験を進めている。

■生きるために働く必要がなくなったら人はどうなるのか

アルトマン氏はブログで「いくつかの重要な疑問に答えるために、長期にわたる大規模な研究を実施したい。ベーシックインカムで人の幸せや生活満足度、経済状況はどれほど影響を受けるのか。また、自分の時間をどう使うのか」と述べている。

アルトマン氏率いるチームは現在、生きるために働く必要がなくなった場合の行動に注目した予備実験をオークランドで進めている。これに成功すれば、5年間の本格的な研究に入る。

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