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ディープインパクト、万能種牡馬へ一歩

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2016/11/5 6:30
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種牡馬ディープインパクトが一つの壁を越えた。10月23日行われた菊花賞(京都、G1・芝3000メートル)。1番人気に推された5月の日本ダービー2着馬サトノダイヤモンド(栗東・池江泰寿厩舎)が直線で楽々と抜け出し、待望のG1初勝利を飾ったのである。

菊花賞を制したサトノダイヤモンド。父のディープインパクトにとっては中央競馬の芝3000メートル以上のレースで挙げた初白星=共同

菊花賞を制したサトノダイヤモンド。父のディープインパクトにとっては中央競馬の芝3000メートル以上のレースで挙げた初白星=共同

同馬はディープインパクトと、アルゼンチンでG1を2勝したマルペンサ(10歳)の間に生まれた。父のディープインパクトにとって、この勝利は中央競馬の芝3000メートル以上のレースであげた初白星である。菊花賞の前まで、同馬の産駒は延べ47頭が3000メートル以上のレースに出走したが、8度の2着が最高で、まだ勝ち星はなかった。既に国内でトップ種牡馬としての地位を確立し、14歳の今年は種付け料が3000万円と、父サンデーサイレンスのピーク時に肩を並べたのだが、3000メートル以上という長距離の領域は空白として残っていた。ディープインパクト自身は2005年の菊花賞で3歳三冠を達成し、翌06年の天皇賞・春では3分13秒4という破格のコースレコードで優勝しており、産駒が長距離を勝てないのは不思議な現象といえた。だが、今回は産駒5頭が参戦し、サトノダイヤモンドと、皐月賞馬ディーマジェスティ(母エルメスティアラ)が1、2番人気を占めた。ディーマジェスティは2着争いで競り負けて4着に終わったものの、産駒の3000メートル級の適性に問題ないことを証明した。

中央G1、22戦中17戦を制覇

ディープインパクトは07年から種牡馬に転じ、産駒が走り出したのは10年6月。わずか6年4カ月で、産駒は中央競馬の22の平地G1競走のうち、17戦を制したことになる。まだ勝っていない5戦は、芝3200メートルの天皇賞・春と、芝1200メートルの高松宮とスプリンターズステークス、ダートのフェブラリーステークスとチャンピオンズカップ。芝の極端な短距離と長距離、ダート以外のすべての領域を制した格好だ。

残る5戦のうち、ダートの2戦以外は、いつ勝ち馬が出ても不思議はない。短距離の場合、5歳のミッキーアイルが今年、1200メートルG1で連続2着。特に、10月2日のスプリンターズステークス(中山)は、勝ったレッドファルクスと頭差の惜敗だった。天皇賞・春にしても13年にトーセンラーの2着がある。同馬は同じく13年に1600メートルのG1、マイルチャンピオンシップを制しており、後から考えれば能力で適性をカバーしたともいえる。もう少し長距離寄りの有力産駒が出てくれば、天皇賞・春を勝つのも遠くない話だろう。

問題はダートで、まだ産駒がG3を1勝しただけだ。この事実は、ディープインパクトの父サンデーサイレンスの偉大さを示す。同馬の子ゴールドアリュールは今年の中央のダートで種牡馬ランキング2位。また、初期の代表産駒のフジキセキは種牡馬入りしてカネヒキリを出した。同馬は中央と地方のG1級を7勝。だが、ディープインパクトは自身が現役時代の体重が440キロ前後で、瞬発力を身上としていた。特徴を受け継いだ産駒が多いためか、パワーを要するダートで苦戦している。

逆に、得意分野は芝の中長距離だ。特に直線の長い東京や京都、阪神の外回りコースで無類の強さを見せる。直線が短く、コーナーのきつい中山の皐月賞や有馬記念では苦戦が目立ったが、14年にジェンティルドンナが有馬記念を、今年4月にディーマジェスティが皐月賞を制し、着々と空白を埋めてきた。サンデーサイレンスは種牡馬として供用12シーズンの間に、22戦のG1のうち21戦で産駒が優勝。唯一の空白がNHKマイルカップ(東京、芝1600メートル)だった。ディープインパクトの現役産駒は2~8歳。7シーズンで17のG1を制した実績は、父に勝るとも劣らないレベルだ。

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