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心音聞こえる国際大会の緊張 権藤氏・古田氏が対談(前編)

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2016/11/1 6:30
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権藤 去年のプレミア12の韓国戦で日本が負けたときに、新聞なんかで「抑え投手として出した投手を途中で代えたりしたらいかん」なんて勝手なことを書いていたんだけど、そしたら「コーチをやってください」っていわれて。

古田 日本の抑えは今、誰がいましたっけ?

権藤 名前が出てこないくらい、みんな(各球団の抑えが)やられちゃったんだよ、今年は。

「バントをして、タダでアウトをくれてやるってのはもったいない」

「バントをして、タダでアウトをくれてやるってのはもったいない」

古田 外国人だと9番打者でもパワーがあるから、日本ではファウルになってたのが、バットの芯をくったらスタンドに運ばれますからねえ。特に本番(WBC)でマウンドに送り出した投手がいきなり、ボール、ボールなんてことになったら「大丈夫か」と思っちゃうかもしれません。今は権藤さんもこうしてすましてらっしゃいますが(笑い)。

九回に出したらその投手でいくしかない

権藤 大丈夫、九回に出したらもうその投手でいくしかないんだからね。

司会 古田さんから権藤さんにアドバイスを。

古田 しっかり矢を受け止めてください。そりゃ最後はやめたらいいんでしょ、くらいの感じで。(両者笑い)

司会 権藤さんが今回、古田さんを対談に招かれたのは対戦していて一番手ごわい存在だったから、ということなんですが、やはりヤクルト戦では「キャッチャー古田」を意識していたわけですね。

権藤 そりゃそう、それしかない。

司会 古田さん、当時の権藤さんの印象は?

古田 敵として困ったのは、ホントにサインを出さないことなんですよ。特に最初の98年は全くサインを出されなかったんじゃないですか。99、2000年くらいは多少出されたかもしれませんが。

司会 バントとかのサインですか?

古田 そうです。ベンチでこうやって(腕組みして)いるだけで(笑い)。ほんとかな、サイン出さないと聞いてたけど、本当かなと。僕ら勝負ごとをやってるんで勘繰るじゃないですか。けれど本当に出されてなかった。

権藤 いや、おれが何にもしないってのはね、バントをして、タダでアウトをくれてやるってのはもったいない、というのが頭にあるわけ。

古田 そこは意見が合いますねえ。

権藤 横浜(現DeNA)にはすごいメンバーがそろっていた。走れる、何でもできるっていう選手ばかり。彼らにバントをさせたら、相手が喜ぶだけだと思うから、やらないわけですよ。もしやるとしても、選手が「ああ、ゲッツー嫌だなあ」とか思ったときに、勝手にバントするだけです。そういうのはありました。

司会 相手が何もしてこないのは不気味ですか?

1点でしょ、取られても1点です

古田 いや、不気味というか、ばれたかって感じでしたね。今でこそ2番バッターが打つチームの方が強い、なんて言うじゃないですか。当時も実はわかってたんですよ。わかっていた球団だけそれをやってた。だけど、90年代の初頭、あるいは80年代とか、ジャイアンツが強かった時代は2番に川相昌弘さんみたいな打者がおられて、バントして、それで勝つんだという野球です。藤田(元司)監督時代とかですね。投手力が圧倒的によかったから、1点取って勝つんだ、という野球です。それがだめというわけじゃないんだけど、そんなにいつも投手が1点、2点に抑えて、3-2、2-1で勝てるわけじゃありません。お互いに打てる打者が増えて5、6点の勝負になってきたときに、初回に先頭バッターが出て、2番がバントしてくれたら、守っている側にとってこんなにありがたい話はないですよ。それが権藤さんにはばれたと思ったわけです。僕らヤクルトが90年代に強かったのは相手がそんなことをやってくれたから。こんなことを言ったら怒られますけど、1点でしょ、取られても1点です。こっちは0点に抑える可能性もあるし、それくらいなら打って返しますからね。

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