勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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サッカーU20W杯出場に結実 日本代表の総合力

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2016/10/27 6:30
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U-19(19歳以下)のサッカー男子日本代表がバーレーンで開催中のアジア選手権でベスト4に入り、来年韓国で開かれるU-20ワールドカップ(W杯)出場を決めた。日本がU-20W杯に出るのは2007年カナダ大会以来5大会ぶりとなる。この年代は20年東京五輪で主力を成す層でもあり、今回のW杯出場決定はオリンピックに向けた強化を考えても素晴らしいニュースといえるだろう。

冨安(左)らを中心に守備にまとまりがあった=共同

冨安(左)らを中心に守備にまとまりがあった=共同

個人的にはグループステージの初戦が大きなヤマだと思っていた。そのC組最初の試合(14日)でイエメンに3-0で勝ち、幸先の良いスタートが切れた。続く17日のイラン戦は0-0で引き分けたが、ベスト8進出を懸けた20日のカタール戦はFW岩崎悠人(京都橘高)、MF三好康児(川崎)、DF冨安健洋(福岡)のゴールで会心の勝利を収めた。試合を重ねるごとに自信をつけたチームは24日の準々決勝もタジキスタンを4-0で下し、見事に無失点でW杯本大会の切符を手に入れた。

勝負強さや効率を前面に

進撃の跡を振り返ると、今大会の若き日本代表は勝負強さや効率を前面に押し出すサッカーをしている。ボール保有率で相手を圧倒するようなスタイルではなかったが、CBの中山雄太(柏)と冨安を中心に守備にまとまりがあり、それが4試合連続無失点という安定した戦いのベースになった。

中山、冨安ともJリーグで出場経験があり、その強みを存分に発揮してくれた。プレーに相当な余裕があった。19歳にして柏でレギュラーを張る中山の場合、グループリーグ3試合で反則の数は2回、ディフェンシブサードでは1回もファウルをしていない。所属の柏で日々の練習の中でクリスティアーノやディエゴオリベイラといったブラジル人アタッカーとバチバチやり合っているわけだから、今回対峙したどの国のFWにも慌てることはなかったのだろう。中山が日本サッカーで人材難とされる左利きのDFというのもうれしい限りである。

流れの中でゴールが取れないとき、185センチの冨安、180センチの中山はセットプレーの際の貴重な得点源にもなった。膠着状態をCKやFKからの得点でブレークスルーできるのは、トーナメントを勝ち上がるチームに共通の資質である。

堂安はグループリーグ3試合でペナルティーエリア内へのパス成功本数が1位(左)=共同

堂安はグループリーグ3試合でペナルティーエリア内へのパス成功本数が1位(左)=共同

攻撃陣に目を移すと三好、堂安律(G大阪)というサイドのMFにペナルティーエリア内にパスを供給する力があった。日本の選手でグループリーグ3試合のペナルティーエリア内へのパス成功本数1位は堂安だった。ちなみに同エリア内でプレーした回数の1位はFWの小川航基(磐田)、2位は三好だった。

一方、日本の対戦相手のデータを見ると同エリア内へのパス成功率は低く、本数自体も少なかった。それはカタール戦のように相手にボール保有率で劣った試合(カタール59%に対し日本41%)でもそうだった。相手にボールを持たれても危ない形はつくらせず、シュート数、アタッキングサードでのプレー数、ペナルティーエリア内の侵入回数のすべてで日本がカタールを上回った。

日程を見るとグループステージの間は中2日の試合の連続。準々決勝だけ中3日で、準決勝は再び中2日に戻った。中東のバーレーンは日中の気温は軽く30度を超え、選手は体力的に大変だったはずである。

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