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軟式で全国制覇 もう一つの天理高野球部

2016/10/22 6:30
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天理高(奈良県天理市)といえば高校野球の名門だが、もう一つの天理野球部も負けていない。軟式野球部が8月の全国高校選手権で初優勝、10月の国民体育大会も制した。近年は地方大会も突破できずにいたチームが躍進し、話題となっている。

全国高校軟式野球選手権で初優勝し喜ぶ天理ナイン

全国高校軟式野球選手権で初優勝し喜ぶ天理ナイン

率いるのは硬式野球部OBの木田準也監督(34)。天理大を卒業後、同大と天理高の硬式で計10年間、コーチを務めた。昨年8月に軟式野球部の監督に就き、初めて練習を見た際は驚いたという。「選手は声を出さず、緊張感がない。全国選手権の会場さえ知らない者もいた」。甲子園出場という明確な目標を持ち、厳しい鍛錬を積む硬式野球部とはあまりに対照的だった。

率先垂範あるのみと自ら声を張り上げていると、やがて選手から「ナイスプレー」などと声が出始めた。自主性が芽生えればしめたもので、そこからはプレーの勘所を注入していった。

軟式は硬式ほど球が飛ばず、長打や連打が出にくい。失点するのは大概、四球や失策が絡んだ時。そこで、投手の制球と全体の守備を徹底的に磨き上げた。

堅守のチームに育った背景には大がかりな配置換えもある。全国選手権の決勝で早大学院(東京)を完封、同じく早大学院と戦った国体決勝で腰痛を抱えながら5回を被安打ゼロに抑えたエースの大瀬祐治(3年)は、昨夏まで三塁手だった。

チームに力が無かった頃は「自分たちは所詮、硬式野球部の下」と自嘲(じちょう)気味に捉えるムードがあった。実力不足から硬式野球部に入れなかった選手は、とりわけ「格下」の思いをぬぐい去れないでいた。

無用に引け目に感じていることに我慢がならなかった木田監督は「堂々としていなさい。軟式野球部に誇りを持とう」と鼓舞。全国優勝を果たしてからは、もはや下を向く選手は1人もいなくなった。

大学の軟式野球は硬式ほど盛んとはいえず、天理高の選手も多くは高校の活動終了と同時にボールを握らなくなる。「彼らは高校の3年間に懸けている。だから1試合でも多く野球をさせてあげたい」と木田監督。

国体での優勝を花道に3年生が引退した10月上旬。短いながらも太い野球人生とすべく、1、2年生の新チームが始動した。

(合六謙二)

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