「J」の螺旋的発展へ投資マインド育む

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2016/10/24 6:30
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「Jリーグって大会方式がコロコロ変わるよね」と思われているかもしれない。2年間、実施した2ステージ制とチャンピオンシップ(CS)をやめ、来季からは通年のリーグ戦である1ステージ制で優勝を決める。

あるべき姿を考え抜き、1ステージ制に戻す決断をしたわけだが、単なる「逆戻り」にはしたくないと思っている。

哲学者のヘーゲルが「弁証法」で「事物の螺旋(らせん)的発展の法則」を唱えている。ものごとの発展は螺旋階段を上るような形で進むというもので、平面でとらえると、もともといたところに戻っているように見えるが、実は一段上昇している。ものごとはそういうふうに発展していくということだ。

私はこの「螺旋的発展」を意識して、一連の改革について考えてきた。平面でとらえると、確かに1ステージ制に「戻る」ことになるが、そのプロセスでは階段を上っておきたい。そのためには、2年間、「2ステージ制+CS」を実施したことで得たものを、来季以降に生かさなくてはならない。

2ステージ制によってリーグ戦のヤマ場が増え、両ステージの開幕直後と終盤に注目度が高まったのは確かだ。そこで私は実行委員会や理事会の議論の中で「ハーフボーナス制」というものを提案した。

東京五輪世代を強化するため、Jリーグはルヴァン杯を活用する方針を固めた=共同

東京五輪世代を強化するため、Jリーグはルヴァン杯を活用する方針を固めた=共同

優勝は通年のリーグ戦で決めるが、箱根駅伝の往路優勝のように、前半戦(17節)終了時点のトップに賞金(ハーフボーナス)を出す。「どこが中間点を1位通過するんだろう」という関心が高まると考えたが、採用は理事会で見送られた。

CSは決勝の開催日が定まっているので、一定期間を大会の告知、チケット販売、広報活動に費やせる。また、固定されたスケジュールの一点に光を当て、大会をPRするノウハウをつかんだので、来季からはYBCルヴァン・カップ(旧ヤマザキナビスコカップ)決勝などで生かしたい。

各クラブ、海外の強豪クラブと親善試合

夏にはJ1に中断期間を設け、各クラブが国内外で海外の強豪クラブと親善試合をする機会をつくりたい。

昨夏の第2ステージ開幕前に、川崎がドルトムント(ドイツ)と親善試合を行い、0-6で完敗したのが印象に残っている。あのとき川崎の選手たちがあらゆる面でのスピードの差、コンタクトの強さの差を体感したことが、今季の川崎の充実につながっていると思う。

クラブ単位で国際試合を重ね、各年代の日本代表選手だけでなく、なるべく多くの選手が世界とのギャップを肌で知り、その差を埋めていくことが日本サッカーの発展につながる。サマーブレイクを活用した国際試合もこの2年の経験から学んだことだ。

高卒でプロ入りした19~21歳の選手の出場機会が限られていることが、大きな問題になっている。今夏のリオデジャネイロ五輪で日本の23歳以下の代表が1次リーグで敗退した。

4年後には東京五輪が開催される。そのための強化をJリーグとしていかに進めるかを議論した結果、YBCルヴァン・カップを活用する方針を固めた。

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