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浜スタ活況「目標達成」 DeNA池田球団社長退任

球場と一体経営、黒字に

球団史上初めてクライマックスシリーズ(CS)に進出し、ファイナルステージで敗れたDeNAが池田純球団社長(40)の退任を発表した。2011年末の就任以来、ファンサービスなどに尽力。閑古鳥が鳴いていた横浜スタジアムににぎわいを取り戻した池田氏は「再建、再生が自分の役割。目標を成し遂げることができた」と語った。

革新と挑戦の風土を根付かせた(横浜スタジアム)

11年に110万人だった観客動員数は今季、球団史上最多の193万人超を記録した。背景にマーケティングの徹底がある。参入1年目、1998年の日本一を知る30~40代男性を「アクティブサラリーマン」と名づけ、その興味をそそる接点を多く用意した。

「野球を"つまみ"に盛り上がりたい」ライト層を取り込むため、ビアガーデンなどイベントを実施して楽しい空間を演出。昨季から販売する球団オリジナルのビールは最大のヒット作だ。

就任当時は「会社じゃないというか、昭和のいい時代がそのまま残っていた」と振り返る。個々の職員はパソコンを持たず、過去のドラフトやチーム編成、選手評価の資料もなし。赤字球団である認識も希薄だった。

革新と挑戦の風土を根づかせたい。そのためにまず社長が動く。成功体験を共有して職員の意識を変える。1年目に試みた「返金チケット」がその手始めだった。試合に満足しなかった観客に入場券料を返す仕組みは物議を醸し、多くの返金を求められたが「失敗とは思わない。あのときはアイデアを出し続ける球団になることを(内外に)示す必要があった」。

動員と売り上げが伸びれば、職員の意欲も高まる。3年目にはファンを飽きさせないアイデアが、スタッフから自然と出てくるようになった。

チームがCS最終ステージに進出し喜ぶファン=共同

ファン層拡大とともに進めたのが横浜スタジアムの運営会社買収。従前は球場に"店賃(たなちん)"を納めてきたが、間借り人のままでは飲食や看板広告などの実入りがない。全試合満員でも黒字化しない。「どう考えても(球場との)一体経営が必要」。経営を安定させ、横浜に永住するための一計だった。

そのために「ヨコハマ人として受け入れられなければ」と個人株主に経営状況を説明して熱意を伝え、昨年ようやく買収の信任を得た。一部の個人株主や地元経済界の支持を背に、今年1月にTOB(株式公開買い付け)が完了した。年間25億円から15年は3億円まで赤字が圧縮、一体経営が可能になった16年12月期は黒字転換を見込む。「一体経営が未来の安定の礎になるのは間違いない」。身銭が増えればチーム強化にも回せる。足場を築いた功績は大きい。

球団を買収して5年。これからは親会社DeNAの広告塔にとどまらず、池田氏いわく「球団を横浜の文化にしていくフェーズ」に入る。ボストンといえばレッドソックスを連想するように、地域に根ざした存在になるには長い年月が必要。球場は20年の東京五輪で、野球・ソフトボールの競技会場になる予定だ。

(渡辺岳史)

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