2019年2月17日(日)

「ポケモンGO」に長生き効果 米研究で判明

2016/10/14 6:30
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VentureBeat

ポケモン捕獲にハマれば、もっと長生きできるかもしれない。

人気スマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」に大いに熱中しているプレーヤーは、これで遊んでいなかったころと比べて活動量が平均で26%増えたことが、米スタンフォード大学と米マイクロソフト(MS)の研究部門マイクロソフトリサーチの研究で明らかになった。論文はコーネル大学図書館のサイトで閲覧できる。

■1日1000歩以上増える効果

ポケモンGOはデジタル世界のモンスターを探して現実の世界を歩き回る、グーグルマップを使った位置情報ゲーム。これに「特に熱中している」人は、1日の歩数が平均で1473歩増え、実際に健康に効果が表れ、さらには寿命が延びる可能性もあることが今回の実験で判明した。研究チームの試算では、7月に配信を開始して以来、ポケモンGOで米国の活動量が1440億歩増えたという。ポケモンGOはダウンロード数が数億件、売上高が数億ドルに上り、年商366億ドルのモバイルゲーム市場を席巻している。

スタンフォード大学の科学者、ティム・アルソフ氏はベンチャービートの書面での取材に対し「この研究では、ポケモンGOで1日1000歩増を維持できるという前提で平均余命を分析した」と説明。「研究対象になった利用者では、歩数が約18%増えることになる。その結果、利用者1人につき寿命が推定41日延びることが分かった。米国でのポケモンGO利用者は2500万人なので、米国の利用者全体では282万5000日延びることになる。これはポケモンGOのようなゲームが市民の健康に大きな影響をもたらすことを浮き彫りにしている」と述べた。

アルソフ氏と、MSの研究者であるライアン・W・ホワイト氏とエリック・ホロビッツ氏は、3万2000人を対象に3カ月にわたりMSのウエアラブル端末「マイクロソフトバンド」と検索エンジンのログ(ゲームで遊んだかを測定するため)から集めたデータをチェック。誰がどのくらいポケモンGOで遊んだかをログから測定し、これをバンドの加速度センサーの活動量と比べてゲームと歩数の相関について調べた。典型的な健康関連アプリよりも多くの利用者に影響を及ぼす強い相関があるという結果が示された。

アルソフ氏は「個人的には、ポケモンGOが大ヒットし、ほぼ社会的な規模で運動を促す手段になっていることに非常に興奮している」と述べた。

「多くの手段は既に活動的な人しか使わないが、ポケモンGOはこのゲームに熱中している人の活動量を実際に急増させた。ポケモンGOの配信開始から1カ月で、米国で2500万人がこのゲームに興じ、米国の活動量を1440億歩増やした。一方、われわれが調査した他の健康アプリは、既に活動的な人にしか使われなかった」とも語った。

もちろん、これは一つの研究結果にすぎず、限界もある。研究の対象になったのは、活動を追跡するための250ドルのマイクロソフトバンドを購入でき、研究目的でのデータ提供に同意した人だけだった。しかも、検索データからポケモンGOにどれほど熱中しているかを測るのは完璧な手法とはいえない。ただし、今回の研究目的では、信頼性は確保できそうだ。さらに、このゲームや他の似たようなゲームが長期にわたり健康に大きな効果をもたらすと言えるかについては、もっと掘り下げた調査が必要だ。

■継続が重要

アルソフ氏は「問題はこうしたゲームに長く熱中し続けられるかだ」と指摘。「ポケモンGOで遊び始めた数千万人ほど大規模ではなくても、市民の健康にとって本当に価値ある貢献ができるだろう」との見方を示した。

アルソフ氏は今後の研究で基本的な疑問が解明されるよう期待していると発言。「運動は人間の健康にとって極めて重要だ。ポケモンGOのプレーヤーは活動的になれば体調が良くなると実感するかもしれない」と述べた上で「(では)行動が持続的に変わる兆しはあるか。こうしたゲームが有効なのはどんなタイプの人か。前よりも活動的であり続けるのはどんな人か」と疑問点を挙げた。

ポケモンGOが生み出している経済効果に加え、活動的な人が増えることで医療費を抑える潜在効果も見込めるため、スタンフォード大学とMSの研究結果の検証や、ゲームと運動との関連を証明する予備的研究などが今後増えるだろう。

By Jeff Grubb

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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