エネルギーは内に秘めるな 表に出せ

(1/2ページ)
2016/10/9 6:30
保存
共有
印刷
その他

手探りで走ってきたオリックス2軍監督1年目はウエスタン・リーグ最下位という悔しい結果に終わりました。ただ、少しずつ野球に対する考え方がチームに浸透してきたなという手応えも感じています。その一つは「エネルギーは内に秘めていても何にもならない。表に出せ」ということ。気持ちが前面に出てくる選手というのは、チャンスをものにする確率も高いのです。

9月13日の日本ハム戦で園部は中越えに二塁打を放つ=共同

9月13日の日本ハム戦で園部は中越えに二塁打を放つ=共同

そんなことを感じさせてくれた若手の代表格が、高卒3年目の園部聡選手(20)です。9月11日に今季2度目の1軍昇格を果たすと、13日には球界を代表する日本ハムの大谷翔平投手から中越え二塁打。18日には日本ハムと激しい首位争いを繰り広げていたソフトバンクに敗れたものの、最終回に意地を見せるプロ初本塁打を森唯斗投手から放ちました。シーズン最終盤に来季に向けた大きな手応えを得ましたが、このチャンスは紛れもなく自分の力でつかみ取ったものです。

「これだけ強い気持ちあれば大丈夫」

彼は2軍暮らしをしていた8月初めにけがをしました。足を引きずりながら走っているので病院に行かせると、医師からは左太もも前側の肉離れで全治1カ月、試合復帰までは約2カ月かかると言われました。ところが、彼は診断から3日後には「大丈夫です。動けます」と言ってきたのです。

私自身、今季の復帰は難しいだろうとも考えていたのですが、本人と話し合うと「絶対にできます」と真剣そのもの。私はその顔つきを見て「ああ、これだけの強い気持ちがあったら大丈夫だ」と確信しました。仮にもう一度、同じ場所をけがして今季を棒に振ってしまったとしても、誰のせいにもしないし、悔いを残さないだろう。もし、そうした悪い結果を招けば、自分の体の弱さに腹が立ち、体を徹底的に鍛え直して来季に臨んでくれるはずだ、と直感したのです。

もちろん、将来のある選手に大けがをさせるわけにはいかないのは当然のことです。ですが、園部選手のけがの箇所や程度から、私は内心、「練習をさせてくれ」と直訴してくるのではないかと期待していたところもありました。

私も現役時代、軽度ですが何カ所か肉離れをしたことがあります。その経験から、どこを痛めたら本当に走れなくなるのかは理解しているつもりです。一番厳しいのはふくらはぎですが、それ以外の場所ならば、言い方は悪いですが、だましだましで走ることができます。スピードを買われ、盗塁などの走力で勝負する選手ならば確かに厳しい状況ですが、彼はそうしたタイプではなく、もっぱらバット一本でアピールする選手です。そこで、練習をしながらけがを治していく方法を選択しました。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

電子版トップ



[PR]