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フルスイングの余韻(山崎武司)

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広島Vけん引 ベテラン新井の打棒復活と勝負強さ

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2016/10/2 6:30
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開幕前の予想は最下位にしていた。25年ぶりにセ・リーグを制した広島のことだ。米ドジャースに移籍したエース前田健太の穴は埋まらないだろうと考えていた。ところがここ数年さえなかった野村祐輔がよもやの16勝3敗。多くの貯金をつくった。22歳の鈴木誠也がこれほどやるとも思わなかった。投打にあふれていたサプライズの一つが新井貴浩の復活だ。(記録は9月30現在)

今季の新井はコンディションが良く、打点は100を超えた=共同

今季の新井はコンディションが良く、打点は100を超えた=共同

4番打者として打点王争いに絡む活躍

昨年、阪神から広島に復帰した新井は打率2割7分5厘、7本塁打、57打点だった。それが今年は3割、19本塁打、101打点。4番打者として打点王争いにも絡んだ39歳の活躍は優勝に大きく貢献した。

新井と僕にはいくつかの共通点がある。同じ右のパワーヒッターで地元の球団に入団したこと、一度移籍して再び古巣に戻ったこと、本塁打王と打点王のタイトルを取っていること、「賞味期限切れ」とみられていた30代後半から再び打ち出したこと、などだ。

とにかく不器用な男。それがプロ入り当時の新井の印象だ。体が大きくパワーはあったが、打撃はメチャクチャ、守備もヘタクソ。「よくこんなのに三塁を守らせておくなあ」と妙な感心をしたほどだ。2000安打に到達するような選手になるなんて、本人だって考えなかったに違いない。フリーエージェントで阪神に移籍しておきながら、肩をたたかれるような形で広島に戻るというのはファン心理を考えれば簡単ではなかっただろう。再び認めてもらうには成績を出すしかない。それをやり切ったのだから素晴らしい。

今年の新井はバットがよく振れていた。ある程度のキャリアを重ねると、技術面が大きく変わることはない。結果の良しあしは体調が左右するようになる。今年の新井は動きにキレがあった。体が元気で、よいコンディションで試合に臨めたことがうかがえる。39歳以上で100打点を超えたのは新井が5人目(6度目)だという。過去4人のうちの1人が僕だ。

クリーンアップを打つ選手にとって、打点は強く意識する数字だ。中軸の最大の仕事は走者を返すこと。走者のいない場面でヒットを重ねて打率を上げても意味がない。いい場面で打ってこそ存在価値があるわけで、チームの勝敗も左右する。

どんな場面でも同じ心理状態で打席に入るのが理想というのはわかっていても、僕は得点圏に走者がいると途端にテンションが上がった。「おいしいな。ここで打てば明日の新聞1面はいただきだ」。走者三塁の場面、犠牲フライや内野ゴロで1点が入ると「最低限の仕事をした」といわれるが、そんなセコイ考えはしたことがない。外野フライは狙って簡単に打てるものではないし、バットを振り切って強い打球を打つのが打撃の基本だ。プロの中軸を打つような選手は多くがそう思っているはずだ。

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