バイオCMO、異業種が存在感

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2016/9/29 6:30
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医薬品の製造受託(CMO)で異業種の存在感が増している。医薬品の主流が低分子薬からバイオ薬にシフトし、生きた細胞や微生物の培養技術が求められるように変わったからだ。ノウハウを持つ素材や化学メーカーがバイオCMOに相次ぎ参入したが、海外では韓国や欧州勢が規模で圧倒。出遅れた国内勢は生産技術に磨きをかけ、巻き返しを図ろうとしている。

微生物を培養して医薬品を作る(旭硝子の千葉工場)

微生物を培養して医薬品を作る(旭硝子の千葉工場)

「後発組でも勝機はある」。バイオCMO市場への本格参入を決めた三菱ガス化学の長谷川俊明企画開発部長は、こう決意を語る。

今年6月、同社は日本化薬と組み、カルティベクス(新潟市)を設立。2018年6月に新潟市内に1000~2000リットルの培養能力を持つタンクを設置し、バイオ薬の生産を始める予定だ。

三菱ガス化学は過去に健康食品の原料に使う「コエンザイムQ10」の生産を手掛け、微生物を培養していた。11年には台湾のバイオベンチャーと提携。医薬品を産出する細胞の構築技術を導入し、バイオCMOに必要な技術を蓄積していた。

重視するのは、規模よりも生産効率だ。

「韓国勢や欧州勢は培養タンク1リットルにつき、バイオ薬を1グラム以下しか産出できない」と長谷川氏は分析する。一方、カルティベクスは同5グラムを産出する最新のバイオタンクを設置する予定だ。

実現すれば生産効率は海外勢の5倍だ。同じ量のバイオ薬を作るのに必要な施設は、単純計算で海外勢の5分の1以下で済む。「コスト競争力では勝ち抜ける」。長谷川氏は自信を見せる。

バイオ薬の生産効率を高めるカギは、遺伝子組み換え技術にある。

細胞の遺伝子を切断したり、合成に関わる部分を組み込んだりして、大量のタンパク質を生み出す細胞を独自に作り出す。細胞を増やすのに必要な培地など「組み合わせを工夫して生産効率を上げる」(長谷川氏)。

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