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スマホ動画、ヨコからタテに 縦長の配信も

「動画視聴は縦向きで」――。スマートフォン(スマホ)の普及は動画の形も変えようとしている。動画マーケティング支援のモバーシャル(東京・渋谷)の調査では、端末を縦向きにしたまま見る人の割合が横向きを上回った。映画やテレビの時代から動画は横長画面が当たり前だったが、視聴の際にスマホを横向きにする手間をわずらわしく感じる視聴者が増えているようだ。

モバーシャルの調査によると、今年8月時点でスマホで動画を見る時の端末の向きは「縦向きのみ」が1月の前回調査から6ポイント超増えて34.7%だった。「横向きのみ」は5ポイント落とし28.4%だった。「両方」の向きで視聴すると答えた人は38%から36.9%に微減した。縦向きが横向きを上回るのは昨年7月の調査開始以来初めてだという。

女性だけに限定すると「縦向きのみ」の視聴が4割を超えた。30代女性では49.4%と半数近くに達した。縦向きで見るコンテンツの種類は「音楽系」がトップだった。曲目当てで映像が大きく表示されなくても気にしない利用者が多かったためとみられる。2位以下は「ニュース系」「動物系」と続いた。

動画の長さが短いほど縦向きでの視聴が多くなる傾向も浮き彫りとなった。例えば「10分以上」の動画の場合は「縦向きのみ」での視聴は17.6%にとどまったが「10秒以内」のコンテンツについては62.5%に上った。

縦向きで動画を見る理由については「いつも縦向きで使っているのに動画だけ横向きにするのは面倒」「縦使いに慣れているから」など、普段のスマホの持ち方を変えたくないという意見が目立った。「長くみたい時、大きく表示したい場合は横」というコメントもあったが「外出先で見る時は、縦向きにしている。横だといかにも動画見てます感が出るのが嫌」との声もあり状況やコンテンツの内容に応じて向きを使い分ける傾向もみられた。

モバーシャルが8月9~17日、スマホで動画を見る20~50代の男女700人を対象にインターネット上でアンケート調査を実施した。同社は縦向き動画の企画制作を請け負うサービスなども展開している。

スマートフォン(スマホ)での視聴を前提とした縦長動画の分野に商機を見いだす企業は多い。LINE社長を務めた森川亮氏が創業したC Channel(東京・渋谷)は、女性向けにメークやファッションなどの縦型動画を国内外で配信している。

森川社長は「ゲームの世界ではガンホーの『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』が出てきてから縦に変わった。C Channelなどのサービスが伸びていけば、既存の会社も必然的に縦にせざるを得ない」と自信を見せる。女性の方が縦向きでの視聴が多い点については「女性は手が小さいので端末を横向きで見る時に片手ではなく両手を使わなければならないが、両手を使って動画を見るのは本気になっているようで格好悪いというイメージがある」と語る。

スマホ向けニュース配信のスマートニュース(東京・渋谷)も9月上旬に期間限定で、宇多田ヒカルさんのオリジナル動画を縦長で公開した。今後はサイト上の広告枠でも縦長の動画が広がりそうだ。

(企業報道部 花田亮輔)

[日経産業新聞2016年9月26日付]

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