勝負はこれから

フォローする

巨人・高橋監督、マイナスからの出発と1年目の評価
編集委員 篠山正幸

(1/2ページ)
2016/9/20 6:30
保存
共有
印刷
その他

非常事態下の緊急登板的な色彩を帯びてスタートした巨人・高橋由伸監督の1年目は2位というゴールも視野に入ってきた。野球賭博問題の余波、先発陣の出遅れなどがあり"マイナス"からの戦いとなった割には健闘したといえるのではないか。

混乱のなかでの現役引退、監督就任だった。一部選手による野球賭博問題が明るみに出たのが、昨年10月。巨人の屋台骨すら揺るがすような事態の一方、原辰徳前監督が勇退。後任人事案として急浮上してきたのが高橋監督だった。

地道に歩を刻もうという現実路線こそ、高橋監督の信条にみえる=共同

地道に歩を刻もうという現実路線こそ、高橋監督の信条にみえる=共同

昨年10月26日の就任会見で「まだまだ現役でできると思っていた」と語った本人にも青天のへきれきだったはずだ。

不祥事と監督人事は直結するものではないだろうが、落ちかけた巨人のブランドイメージをかろうじて保てる清新なイメージを持つ候補、と見込まれたことは想像に難くない。

地道に歩刻む現実路線こそ信条か

原監督の後任人事に関しては「人心一新、新しい風を吹き込むこと」(白石興二郎前オーナー)が必須の条件だった。「その条件に当てはまるのは高橋君しかいない」と白石前オーナーは高橋監督の就任会見で語ったのだった。

新監督の船出としては酷な状況だった。前オーナーが「どちらかというと下降曲線にある」と語っていたように、チーム全体が世代交代期にさしかかっていた。原監督下、安定した成績を挙げていたチームも阿部慎之助の衰えに象徴される主力の高齢化などへの対応が急務となっていた。

この点、高橋新監督はどう考えているのか。就任会見のポイントの一つだったが、答えは「改革」「新機軸」を期待する向きには拍子抜けするものだった。

「阿部、長野(久義)、坂本(勇人)、菅野(智之)、内海(哲也)、このへんが中心にならないと強いチームは作れないと思う」

それはそうに違いないが、もう少し目新しい名前が出てこないものか……。

しかし、あれから1年が過ぎようとする今、あの凡々たる答弁のなかに、高橋監督の浮ついたところのない考え方がにじみでていたのかもしれない、とも思われる。

改革、若返りとぶちあげるのは簡単だが、人材はいるのか、育成体制はどうか。一朝一夕にいくものではない。

ベテラン、中堅に何とかチームを支えてもらいながら、徐々に切り替えていこうという漸進路線。現実離れした夢をみるのでなく、話題づくりに走るのでもなく、地道に歩を刻もうという現実路線こそ、高橋監督の信条なのかもしれなかった。

こうした実直さのゆえか、仲間からの慕われ方は半端ではない。井端弘和現コーチは昨季限りでの早すぎる引退の理由について、高橋監督と同時にユニホームを脱げて本望、といった言い方をしていた。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

電子版トップスポーツトップ

勝負はこれから 一覧

フォローする
プロ初安打の表示の前でポーズをとる小深田。球界屈指のスピードスターになれる選手だ=共同共同

 楽天の新人、24歳の小深田大翔(こぶかた・ひろと)の胸のすくような走りに、長嶋茂雄さん(巨人)の言葉を思い出した。「プロとしての売り物は三塁打と考えていた」(自著『野球は人生そのものだ』)。走攻守に …続き (8/4)

7月18日に今季2号のソロ本塁打を放った安田。昨年は1軍出場がなかったが、開幕から出場機会を得ている=共同共同

 「君は安田(尚憲)の力を疑ってはいないだろうね」。ロッテ・井口資仁監督に、逆に質問された気がした。降雨ノーゲームとなった試合、安田の2適時打がフイになり、「残念でしたが」と問いかけたときのことだ。こ …続き (7/21)

5日のヤクルト戦で7回無失点の好投をみせ2勝目を挙げた平良。同日現在、防御率は0.95でリーグトップに浮上した=共同共同

 何かに徹することの大切さを教えてくれるのが、7年目の今季、初めて開幕ローテーション入りして、安定した投球をみせているDeNA・平良拳太郎(24)だ。右打者を徹底した外角攻めで抑える技巧は「強打者は内 …続き (7/7)

ハイライト・スポーツ

[PR]