2019年5月25日(土)

ごみ収集車、全面刷新 モリタ約20年ぶり

2016/9/20 6:30
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特装車大手のモリタホールディングス(HD)は、ごみ収集車の新モデルを開発した。ごみの容量は5%増えたが、投入口の高さは業界最低を維持した。発光ダイオード(LED)による「作業中」の表示やテールランプは投入口の上に付けて視認性を高めた。高齢化や人員不足が進む作業員の負担軽減や安全性向上を売り物に、廃棄物処理業者らに訴求する。年300台の販売を目指す。

「作業中」の表示やテールランプを投入口の上に付け視認性を高めた

「作業中」の表示やテールランプを投入口の上に付け視認性を高めた

ごみを圧縮しながら運搬するプレス式ごみ収集車「プレスマスター」を約20年ぶりに全面刷新する。2トン車を使った小型タイプを12月に発売する。価格は910万円。来年春には3.5トン車、4トン車タイプも発売する予定だ。

ごみを入れる容量は、従来モデル比5%増の4.3立方メートルと改良した。また、生ごみから出る汚水をためるタンクは、従来通り投入口の下部に設置する。ただ、タンクの地面からの距離は2センチ高い31センチに引き上げ、ごみ処理場で停車する際に車体が車止めに当たらないように配慮した。

一方、投入口の高さは70センチと業界最低水準を保った。他社の同クラスの製品よりも3センチ低い。作業員がごみを積み込む際の腰や腕への負担を軽減する。自動車メーカーから購入したシャシーと、その上に同社が架装するごみ収集装置部分の間を可能な限り狭める設計とした。

行政によるごみ処理の予算は縮減している。環境省の「日本の廃棄物処理」によると、2014年度に2兆1683億円と、ピークだった01年度の7割にとどまる。

市町村などの自治体は収集業務について、直営から外部の廃棄物処理業者への委託を加速している。全国のごみ収集量に対する割合は直営が23%と10年前に比べて10ポイント減った。一方で外部委託は8ポイント増の49%だった。

予算が限られる中で、業者は、トラック運転手などの経験のある高齢者を雇用し、人数を減らして業務に当たらせている。ただ収集作業は体への負担が大きく、停車中に後方から別の車両が追突する事故も絶えない。モリタHDは作業の負担軽減や安全性を売り物にした新モデルの引き合いは強いとみている。

モリタHDの17年3月期の売上高は前期比21%増の830億円で、そのうちごみ収集車を中心とする環境事業が1%増の100億円の見通し。国内のごみ収集車市場はここ数年は年4500台前後が続くとされる。回転式ごみ収集車に強みがあるモリタHDは、プレス式でも攻勢をかける。同社の現在の業界シェア約15%を、3年後に30%まで伸ばす目標だ。

(大阪経済部 大西康平)

[日経産業新聞 9月20日付]

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