軽い驚き覚えたマンチェスター・ダービー
フットボールライター 森昌利

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2016/9/19 6:30
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土曜日の試合だというのに、水曜日から英国各紙のスポーツ面が「マンチェスター・ダービー特集」で埋まった。その内容は扇情的でさえあった。英国中が特定の1試合にこれほど興奮したのはいつ以来だろう。開幕4戦目だというのに、今季の優勝が決まるかのような雰囲気さえ醸し出した。

ゴール求めるマンC・グアルディオラ監督

モウリーニョ対グアルディオラ。マンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティがあり余る富にものを言わせて実現させた世界最高監督のプレミアリーグでの初対決。

「選手にどう準備させるか、どんなパフォーマンスを望むかという部分では2人は非常に似通っている。2人の相違点をあげろと言われたら、グアルディオラが自分のスタイルを貫いて勝利を目指すのに対し、モウリーニョは結果重視でそれほどスタイルにはこだわらないということだろうか」

ダービー前の報道で、そうBBC電子版に語ったのはチェルシー、バルセロナでプレーし、2人の監督に仕えたアイスランド代表FWグジョンセンだった。

この言葉を意訳すると、モウリーニョは対応型の監督だということだ。相手を研究した結果、勝ち点を奪う確率が高いと判断すれば、システムや布陣を変えて試合に臨む。そして、その基盤には規律の高い守りがある。

サッカーは基本的に得点が困難なスポーツだから、試合をコントロールするという見地からすれば、失点を防ぐ方が得点を狙うより確実だ。まず、負けないという状況をつくる。失点を0にすれば、最悪でも勝ち点1は奪える。モウリーニョは実に現実的な監督だ。

一方、グアルディオラのサッカーは愚直なほど攻撃的だ。ゴールを奪わなければ勝てない。彼のサッカーからは強迫観念にも近い、そんな信念がにじみ出ている。まさしく理想を追い求めるタイプの監督だ。

相手に簡単にボールを奪われることが何よりも嫌いだというグアルディオラはボールの保持率を上げることで相手に得点させないと考える。

現実派のマンU・モウリーニョ監督有利?

しぶとい現実派とひたすらゴールを追い求める理想派。両者のスタイルの違いについて考えを進めると、試合前の体感としては、守備重視の対応型であるモウリーニョが有利ではないのかと思った。

グアルディオラのスタイルを会得するには才能と修練が不可欠で、ある程度時間がかかる。

かたや結果重視のモウリーニョは、この一戦に絞って最良の戦略をチョイスできる。例えば守りを固めてクオリティーの高いカウンター。今季のマンチェスターUの最前線には怪物イブラヒモビッチがいる。

勝敗のカギは、就任わずか3か月で、どちらがチームの潜在能力をより多く引き出せるか。だとしたら、それは失点を抑え、サッカーの型にこだわらないモウリーニョに分があるのではないか。しかもグアルディオラは得点源のアグエロが3試合の出場停止で使えなかった。

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