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我こそ次代の旗手 阪神・高山、クールに熱くチームリーダー目指せ

スポーツライター 浜田昭八

阪神の新人、高山俊(23)はチームの先輩、鳥谷敬に似たタイプの選手だ。関東で育ち、東京六大学のスターだったという点で同じだが、それ以上にプレースタイルに共通点が多い。クールにいい仕事をする。だが、見方によっては積極的にチームを引っ張ろうとしない、マイペース男と受け止められる。

高山の吸収力のよさ、修正能力の高さは定評がある=共同

アマ時代からの打撃技術は健在

本人にとって迷惑な見方だろう。ただ、超変革を推進する金本知憲監督が鳥谷に「お前が変わらなければチームは変わらない」と、看板選手としての意識改革を求めたことからも、いろいろなことが推察できる。近い将来のチームリーダーである高山に"鳥谷的"な要素はないのだろうか。

新人高山にチームを引っ張る余裕はまだない。どれだけ打ってもチームの勝利に結びつかないと喜ばない。それは団体競技に携わるアスリートのエチケットだろう。今季の阪神はよく負けた。高山がシンから喜べない試合が多く、それが同選手の印象を少し暗くしたことは否めない。

それでも、アマ時代から「安打製造機」といわれた打撃技術は健在だ。日大三高では2010年春と11年春夏の甲子園大会に出場。11年夏には打率5割、2ホーマー、9打点の猛打で優勝に貢献した。明大へ進んでからも打ちまくり、東京六大学の通算安打記録を更新する131安打を放った。

阪神入り後もキャンプ、オープン戦での評判は上々だった。「なにも変えていない」と本人が言う通り、速球をはね返し、落ちる変化球をうまく拾って広角に打球を飛ばした。早くから「新人王の有力候補」と絶賛する解説者もいた。物おじせずに打つ高山を見て、金本監督は「6番かな、3番でもいける」と、戦力として計算に入れた。

3月25日の開幕戦には1番左翼で登場。中日の左腕大野雄大に対し、初打席初安打という派手なことをやってのけた。翌26日には決勝打となる初打点。同31日のヤクルト戦では初ホーマーを含む4安打の固め打ちをみせた。元大リーガーのデイビーズに浴びせたプロ1号はプレーボール直後の初球をたたいたものだった。このドラマ性が高山人気をさらに盛り上げた。

プロの洗礼、相手投手の投球厳しく

だが、プロは甘くない。評判通りの実力者とわかると、相手投手の投球が厳しくなった。「死球になったらゴメン」と言わんばかりの内角攻めが増えた。「厳しく攻められるのは、それだけ相手に認められたことでしょうか」と、高山に変わった様子はなかった。

そのころ右ヒジに違和感を覚えるようになった。明大4年の秋に右手首を痛めたのが響いたのか。打撃が下り坂となり、4月20日のヤクルト戦ではスタメン落ちした。この試合での外野陣は1番右翼横田慎太郎(21)、2番中堅大和(29)、3番左翼江越大賀(23)。「レギュラーは安泰でない。若手同士の競争だ」という金本監督の高山に対するメッセージだった。同時期に高山と同じ右投げ左打ちの外野手、ドラフト6位の新人板山祐太郎(22)も1軍に登録された。

その刺激にも動じないほど、高山の度胸は据わっている。4月22日の広島戦で3度目の1試合4安打を記録した。その後、浮き沈みは何度もあったが、首脳陣のアドバイスですぐ立ち直った。その吸収力のよさ、修正能力の高さは指導者を驚かせた。打順はいろいろと試されたが、5月に3番、6月に5番を経験した。得点圏打率が高く、「チャンスに強い」と信頼された。

球宴で二盗を試みる高山。外野守備を磨き、もっと積極的に走ることが求められる=共同

外野守備を磨くこと、もっと走ること

今では3番に収まった感じだが、金本監督は「難しい左腕などが相手のときは外す。使い続けることだけが、育てることにならない」と、手綱を緩めていない。高山にはパ・リーグの剛腕投手たちに苦しめられた、セ・パ交流戦での苦い思いが残っている。ファーストストライクから積極的に打つことを忘れ、打撃が小さくなっていた。

外野守備を磨くこと、もっと走ること。チームリーダーに、さらに球界を代表する選手になるために、やらねばならないことは多い。その前に、超変革2年目に色めき立つ同僚の若手との競争を完全に制しなければならないのは言うまでもない。

 高山俊(たかやま・しゅん) 1993年千葉県出身。2016年、明大からドラフト1位で阪神入り。バットコントロールのいい打撃を売り物に、開幕からずっと1軍で活躍。セ新人王の有力候補になっている。181センチ、86キロ、右投げ左打ち、外野手。

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