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木村無念の銀 最後に右へ斜行「曲がりすぎた」

競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で、今季世界ランク1位の木村敬一(東京ガス)はまさかの2位。レース直後、「終わるとあっけないという感じですね」とぼうぜんとした表情だった。

今季世界ランク1位の木村。左の選手と触れ、最後の泳ぎで右へ斜行したのが響いた=寺沢将幸撮影

ゴール直前。目の見えない木村に、タッピング棒でフィニッシュのタイミングを教える寺西真人コーチがあわてて3レーン側から5レーン側へ回り込み、木村の体をたたいた。自己ベストより0秒82遅い1分2秒43。優勝した世界ランク2位のオリベル(スペイン)に0秒19及ばず、寺西コーチはタッピング棒を拝むように両手でつかんだまま、下を向いた。

寺西コーチの慌てぶりは、4レーンの木村が最後の泳ぎで右へ斜行したことを物語る。まっすぐ泳ぐために、後半は左側のコースロープに左手をかすめさせながら泳ぐのが木村のスタイル。だが80メートル付近で、3レーンを泳いでいたオリベルの右手と自分の左手が接触、競っているのがわかった。

そこで「ぶつかったので嫌になり、右に寄った」と進路変更。だが「曲がりすぎた感じ」で泳ぎが大きくよれてタイムをロスした。この差が金と銀の明暗を分けてしまった。「最後は苦しかったです」

100メートル平泳ぎで銅メダルをとった前日、2日間あまり寝ていないことを明らかにしたが、この日はちゃんと睡眠をとれたという。だが3日連続のレース。「エントリーした時点で覚悟していたけど、予想していたよりきつい」と木村は珍しく弱音を吐いた。

金メダルを期待されながら戴冠できず、4年前から指導している野口智博コーチも「初めてあいつの悔しそうな顔を見た」というほどダメージは大きいようだ。まだ100メートル自由形と200メートル個人メドレーが残る。野口コーチは「ここでくじけたらライバルたちに失礼。最後まで戦い抜いてほしい」と木村の反発力に期待を込めた。

(摂待卓)

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