2019年7月19日(金)

iPhone7のイヤホン端子廃止は大問題

2016/9/15 6:30
保存
共有
印刷
その他

VentureBeat

米アップルの新型スマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)7」と「iPhone7プラス」では、それまであったイヤホン端子を廃止し、代わりにライトニングコネクター付きのイヤホンとイヤホン端子のアダプターが同こんされているのだから、いいんじゃないか。いや、そういうわけではない。

■とにかく面倒になる

その理由はこうだ。

「7」や「7プラス」で通常のイヤホンを使おうとすれば、この特殊なアダプターを常に携帯しなくてはならない。ノートパソコン「マックブック」の新モデルや、4つのUSB-C端子が搭載されるといううわさのある新型「マックブックプロ」でも同じだ。アダプターをなくしたら、新たな出費を強いられる。

では、ライトニングコネクター付きのイヤホンはどうか。これも頭痛の種になるのは確実だ。このイヤホンはライトニング端子のない機器では使えない。なくしたら、アップルストアで新品を買わなくてはならない。なくしては買うことを繰り返す羽目に陥るだろう。昔の携帯音楽プレーヤー「iPod」に付いていたイヤホンと同じだ。

無線イヤホンならブルートゥースで使えるが、誰もがこれを持っているわけではない。無線イヤホンは高価で、音質も常に完璧とはいえず、付けたまま電波が届かない場所に動いてしまうこともよくある。とはいえ、今年6月の米国での無線イヤホンの販売台数は有線イヤホンを上回った。無線イヤホンを買うべきか、それとも待つべきか。難しいところだ。

やがてサードパーティーによるライトニングコネクター付きイヤホンが販売されるだろう。これを使えばあのうざいアダプターは不要になるため、興味深い。そのうち、純正品よりも一部の非純正品の方が高品質ではないかと思うようになるかもしれない。おそらくその通りだ。だが、手持ちの他の機器には合わないのに、スマホのためだけにどのイヤホンが対応しているかを一から探すのは、不快でしかない。

■アップルにとってはいつものことだが…

iPhone6s(上)にはあったイヤホンジャックがiPhone7(下)では廃止となった

iPhone6s(上)にはあったイヤホンジャックがiPhone7(下)では廃止となった

アップルはこれまでもこうした手法をとってきた。1998年には、12年間使っていた商標登録済みの接続端子「アップル・デスクトップ・バス(ADB)」の廃止に着手。99年には同社が提唱していた「FireWire(ファイアワイア)」規格を採用した機器を発売したが、12年後の2011年に取りやめた。さらに、03年にはiPodに「30ピンドックコネクター」を採用したものの、11年後の14年に廃止した。

「USB-A」や「マイクロUSB」の代わりに「USB-C」を採用したパソコンメーカーやモバイル機器メーカーはアップルだけではない。だが、同社はイヤホン端子を廃止した先駆けだ(ただし、アップルが初めてではない。中国のパソコン大手レノボは6月にイヤホン端子のないモトローラのスマホ「モトZ」を発表している)。

言い換えれば、アップルマニアはこの類いの話には慣れっこだ。

とはいえ、今回は(接続端子ではなく)イヤホン端子の話だ。現在の3.5ミリ端子は1960年代から存在し、その前身にあたる4分の1インチ(6.35ミリ)の端子は1870年代に登場したとされる。多くの消費者は長い間、高品質のイヤホンに多額の費用をかけてきた。これは使えなくなるわけではないが、使うたびにアダプターが必要になる。別のイヤホンを使おうとすれば、まずはアダプターを見つけなくてはならない。

■100年以上続いた伝統を打ち切り

こうした点を考えると不安になる。アップルはなぜ1世紀以上うまくいっていたやり方を続けられないのか。(共同創業者の)故スティーブ・ジョブズ氏がよく口にしていた「ちゃんと動く」という表現は、このイヤホン端子にかなり当てはまる。それでも、アップルはこの端子を廃止しようとしているのだ。

筆者の同僚は昨年、アップルがイヤホン端子の廃止に踏み切るのは「避けられない」と予告していた。だが、これは慰めにもならない。米IT(情報技術)ニュースサイト「ザ・バージ」のニレイ・パテル氏が、イヤホン端子のないiPhoneを「使いにくく、ばかげている」とこき下ろしたのも同様だ。

しかも、アップルのワールドワイド・マーケティング担当上級副社長のフィリップ・シラー氏は7日の新製品発表会で、イヤホン端子の廃止を明らかにした際に謝りもしなかった。代わりに、アップルの勇気について強調した。それがなお腹立たしい。

By Jordan Novet

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。