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国枝「完敗だった」 王者の戦い取り戻せず

車いすテニス男子シングルス準々決勝で、国枝慎吾(ユニクロ)がベルギーのジェラールに3-6、3-6のストレート負けを喫し、パラリンピック3連覇の夢を絶たれた。その後行われたダブルス準決勝でも敗れて3位決定戦に回り、リオでは無冠となった。

準々決勝でベルギー選手にストレート負けした国枝。ストローク戦に持ち込むことができなかった=寺沢将幸撮影

王者のテニスではなかった。シングルスの第1セット第7ゲーム。国枝がサービスで2回のダブルフォールト。最後はジェラールが甘いサービスを国枝の体の正面へリターンし、窮屈になったバックハンドのショットがアウトとなってブレークを許す。

車いすは横にはすぐ動けないので、相手の体の真ん中を狙うのは鉄則。次のゲームをブレークバックしたものの、これはジェラールがイージーミスを重ねただけ。結局流れを取り戻せず、第1セットを失う。

第2セットも国枝がとった3ゲームはすべて相手のミスがからんでいた。試合の主導権はジェラールが握り続け、王者を粉砕した。

昨年12月の世界マスターズ(ロンドン)で国枝は2度、ジェラールに負けている。だがこれはコートのサーフェスが「つるつるで、テニスができる状態ではない」(丸山弘道コーチ)という中での試合。ビッグサーバーのジェラールに圧倒的有利な条件だった。

一方、リオのサーフェスは重く、ストロークプレーヤーの国枝向き。さらにこの日は、サービスのトスを不安定にする強風が吹いていた。国枝も選手村を出た時、「風が吹いているから、今日はチャンスだと思った」。

今年5月の国別対抗戦では風を味方につけた国枝が勝利している。だがこの日のジェラールは大木のごとく揺るがず、「すごくいいサーブが入っていた」と国枝。そこを攻略してストローク戦に持ち込むのが持ち味なのに、それができず「完敗だった」。

昨年、全米オープンシングルスで優勝して5回目の年間グランドスラム(3大会)を達成したあと、右肘の痛みが出て今年4月に手術。5月の国別対抗戦で復帰したものの、6月の全仏オープンで痛みが再発した。リオ入りしてから「肘は問題ない」と言い続けたが、実際は痛みを抱えてのプレーだったようだ。

ただ「ベストの状態だったとしても、彼に勝てたかはわからない」。27歳の急成長ぶりに潔く負けを認めた。それも王者たるものの務めと、言い聞かせるようだった。

(摂待卓)

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