2017年12月14日(木)

発見「超銀河団」 浮かび上がる宇宙の巨大さ

科学&新技術
2016/9/24 6:30
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日経サイエンス

 我々の銀河系はこれまでの予想をはるかに上回る「ラニアケア超銀河団」という巨大な構造の一部であることがわかってきた。数億光年という広大な領域に10万個の大型銀河が散らばって構成するという、想像を絶するほどの超巨大さだ。

■銀河の動きから判明

多数の銀河からなる銀河団は宇宙の大規模構造を形作る構成要素で、この画像は「かみのけ座銀河団」。1000個ほどの大型銀河の集まりで、地球から3億光年以上離れた場所にある。かみのけ座銀河団は「かみのけ座超銀河団」というさらに大きな構造の一部で、その超銀河団はラニアケア超銀河団の外側に位置している。画像提供はNASA, ESA and Hubble Heritage Team STScI/AURA

多数の銀河からなる銀河団は宇宙の大規模構造を形作る構成要素で、この画像は「かみのけ座銀河団」。1000個ほどの大型銀河の集まりで、地球から3億光年以上離れた場所にある。かみのけ座銀河団は「かみのけ座超銀河団」というさらに大きな構造の一部で、その超銀河団はラニアケア超銀河団の外側に位置している。画像提供はNASA, ESA and Hubble Heritage Team STScI/AURA

 地球は太陽系の惑星の1つで、太陽系は天の川銀河を構成する渦巻きの腕の1つ「オリオン腕」に位置する。天の川銀河は50を超える近くの銀河とともに約700万光年の範囲に集まった「局部銀河群」の中にあり、局部銀河群は5000万光年離れた1000以上の銀河が作る「おとめ座銀河団」のはずれに位置する。そしておとめ座銀河団は、1億光年の範囲に数百の銀河団が集まった「局部超銀河団」の一部になっている。

 ここまでは天文学の研究で明らかになっていた事実で、それ以上のスケールで見ると、局部超銀河団が密接に関係するような構造は存在していないと考えられていた。ところが最近、局部超銀河団はさらに大きな超銀河団の一部にすぎないことが米ハワイ大学を中心とするグループの研究でわかってきた。

 研究グループは、これまで発表されている銀河に関する多数の観測データを組み合わせて総合的に解析、天の川銀河から6億5000万光年の範囲にある約8000個の銀河について、それぞれの位置と動きを調べたところ、膨大なデータに隠れていた予想外のパターンが浮かび上がった。4億光年を超える領域に散らばっている約10万個の大型銀河が一緒になって動いていたのだ。この銀河の大群全体が、1つの超銀河団を形成している。

 この超銀河団は「ラニアケア超銀河団」と名づけられた。ラニアケアはハワイの言葉で「無限の天空」を意味し、星を頼りに広大な太平洋を航海した初期のポリネシア人にちなむ。天の川銀河はラニアケア超銀河団の中心から遠く離れた辺境に位置し、ラニアケアに隣り合う「ペルセウス座・うお座超銀河団」との境界近くにある。

 この巨大な超銀河団の構造と動態を調べることで、銀河の形成と成長に関して理解が深まるほか、宇宙の全物質の約80%を占めると考えられている目に見えない「暗黒物質」の性質も明らかになってくるだろう。宇宙の加速膨張を生じさせている謎の存在、「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」を解明する新たな手がかりが得られる可能性もある。

(詳細は24日発売の日経サイエンス2016年11月号・創刊45周年記念号に掲載)

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