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「侍義足」科学の粋 軽く強く 夢舞台駆ける
ソニーコンピュータサイエンス研究所・遠藤謙

(2/2ページ)
2016/9/9 3:30
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まだ解明されていないものもある。選手が義足を押したときに地面から力をもらう感覚を表す「跳ね感」の正体だ。試作の途中で佐藤らは速く走るために「もっと跳ね感が欲しい」と求めた。義足の反発係数はオズールと同じなのに、まだ足りないと言われた。

義足を履き替えた佐藤は好タイムが続く

義足を履き替えた佐藤は好タイムが続く

「跳ね感」とは、地面に義足をついた時に得られる反発が自分の重心の上に来るかどうか、これがずれていたら感じられないものではないか、という結論に達した。接地時に義足が前にずれないような工夫をして対応したが、遠藤は「正直、いまだに分からない」と首をひねる。

結局、「一番力を出しやすい姿勢は選手によって違うので、選手とモノ作りが一体となったプロジェクトが大事」と気づいた。パラスポーツにとって、障害で欠けた部分を補うための道具は重要だ。海外勢もリオで新作を投入するなど開発競争は激しい。

だが、道具だけ進化して人間が振り回されるものではないし、人間が道具をしもべのように従えるものでもない。国産義足への挑戦は、ヒトと技術の普遍的な真理を思い起こさせる。

20年東京で、パラリンピックの100メートルの記録が五輪の記録を上回る義足をつくることがサイボーグの目標だ。それが「日本人選手によってなら最高だが、海外の選手でもかまわない。世界に目を向けて活動したいので」。すでにジェネシスに興味を持つ海外選手もいるという。

佐藤が出場する男子100メートル予選は8日午後5時45分(日本時間9日午前5時45分)から。遠藤は五輪スタジアムに駆けつけ、その目に走りを焼き付ける。「短期間でここまでなし遂げたことを誇りに思う。ただ目標は20年、そしてその先の社会のあり方。これで満足せず、研究・開発を進めたい」=敬称略

(摂待卓)

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